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大事なあなた  作者: トウリン
ライオンのしつけ方
31/83

プロローグ

一輝のお祖父さん、一智の話です。ハッキリ言って、ダメ男です。

彼の成長(20代後半ですが)を見てあげてください。

書きながらの投稿なので、連載のペースはゆっくりかもです。

「俺は、本当は船乗りになりたかった」


 私の主人が、そう言ったことがある。私が彼付きのメイドになってから、まだそれほど日が経っていない頃だった。

 その時彼はベロベロに酔っていたし、そんな内容だったから、どの程度本気なのかは判らなかったけれど。


 もしかしたら、身に余るほどのものを背負わされることが辛いのかな、とか、深読みしたりして。


 次の日の朝、主人に「船乗りって、憧れませんか?」と訊いてみたら、「なんだそりゃ」と笑い飛ばされた。


 やっぱり、ただ酔っていただけだったのかも。


 でも、あの時の彼の眼差しは、以来、ずっと私の心の片隅に居座ってしまった。


 彼に「何かしてあげたい」と思ったのは、後にも先にもあれっきり。

 船乗りになりたいというのなら、この家から逃げ出す手助けをしてもいいとすら思った。


 時々、主人の目の中に同じ色が見えることがないか捜してみるけれど。

 隠しているだけなのか、それとも、あの時限りの気の迷いだったのか。



 ――まあ、港ごとに違う女がいるっていうことなら、もう船乗りのような人だけれどもね。


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