第一夜
Dear.
ありがとう。お手紙読みました。
おかげさまで、暗くてコドクな部屋にも、月の光が差し込んでくることに気付きました。
ところで、お手紙にあったご友人はその後どうされているでしょう?消えかかった炎があの川からの風でまた赤く・大きくなることを祈っています。
幾度もあなたの手紙を読み返したので、あまり時間がなくなってしまいました。
月がさっきから私をつついています。
明日は角の仕立て屋さんに行ってみようと思います。
買い物ではありません。
お金もだいぶ減ってしまいましたから、働かせてもらうつもりです。
いいひとそうなご婦人でしたので、明日、お願いしてみるつもりです。
では、また、おいしいお手紙書いてください。
クロヤギ