第2章
──オマエたち、いつの日か真実を教えておくれ!
ずっと仙台市中心部にある定禅寺通りの欅並木を見上げて来た。
はじめは無意識に。
歳を重ねるごとに意識して……
ゴールデンウィークが終わった頃から、高さがビルの5階に達する160本の欅たちは、争うようにういういしく黄緑色に生い繁げはじめる。
日々、緑が濃くなる様子を ──その膨大な葉叢を── オレは胸を踊らせながら見上げて来た。
──もっともっといっぱいに、空を覆うように繁っておくれ!
6車線の通りは新緑の欅たちに覆われる。
豊潤な葉叢の屋根は、強い日差しからも雨や風からも程よくオレたちを守ってくれる。
いちばんたいせつなことは目に見えない。
くもりなきまなこですべてを見定める。
小さな頃から、ずっと思って来た。
オレとシーは、定禅寺通りと国分町通りとのスクランブル交差点から中央分離帯の遊歩道に入った。
そして、黒く光る「オデュッセウス」のブロンズ像のすぐ傍の南側の木製ベンチに腰掛けた。
ミウとの別れ際、ひとこと声をかけた。
──時間が許すなら、定禅寺通りの欅並木を見に行ってほしい。仙台でいちばん大きく美しい欅たちを……
そして中央分離帯の遊歩道にある3つのブロンズ像のうち、真ん中の像のすぐ傍の南側ベンチの下を見てください!
オレは、定禅寺通りのすぐ近くにある仙台三越で購入したlight blueの小さな手提げ袋を開けた。
欅たちが微笑んでくれている気がする。
オマエたちの《碧い声》を久しぶりに聴けた気がした。




