日記
【奈央の本性が暴かれる!】
激しい嫉妬心から、奈央は同級生を徹底して追い込んでいく——。
その日の夜、華菜子はいつものように日記帳を開き、本田奈央とのやりとりを漏らさず書き記していった。受け取った電話番号も書き加えた。当然、カズマのことも。「カズマ」は、中学の卒業アルバムで確認したところ、「川崎数馬」だとわかった。写真を見て彼のことを思い出したが、金髪にした今の姿は当時とはまるで別人だった。彼のニヤついた顔を思い出すと、胸をかきむしりたくなるほどの苦しみに襲われた。
性的暴行を受けたことは恥辱でしかなかった。絶対に誰にも知られたくない。当然、両親や友人にも言えない。きっと自分と同じように、誰にも相談できずに泣き寝入りする被害者は少なくないのだろう。
警察に駆け込むことも考えたが、そうすれば必然的に両親にも知られてしまう。娘がレイプされたと知ったら、両親はどんな気持ちになるだろう。たとえ、彼らが理解を示してくれたとしても、見ず知らずの刑事たちに根掘り葉掘り聞かれるのは耐えられない。それに警察沙汰になれば、暴行の事実は学校中に広まるかもしれない。そうなれば、被害者の自分が好奇の目で見られるのは避けられない。
そんな光景を、リアルに華菜子は想像してみた。
「あの子、レイプされた子でしょ?」
「そうだよ」
「よく平気で学校に来れるよね」
「ほんと、図太いよね」
「被害者ぶってるけど、ほんとのところはわかんないよね」
「だよね」
華菜子はぞっとした。きっと、何も知らない部外者は被害者にも落ち度があったと言い立てるはず。華菜子は否定するように強く首を横に振った。
「ダメだ。絶対に知られちゃいけない……」
そんな不快な思いをするくらいなら、本田奈央に金を渡して黙らせたほうがマシだ。
脳裏に、あの神社の裏で受けた屈辱がよみがえる。入れ替わり立ち代わり、頭の悪そうな男たちにもてあそばれた。そして、一度汚された身体は、もう二度と元の綺麗な身体には戻らない。すでに汚されてしまったのなら、見知らぬ男たちに身体を売ってもいいのではないか——。
華菜子は、電話番号が書かれたメモを苦々しく見つめた。これから進もうとしている道は決して楽なものではない。文字通り茨の道だ。しかし、心ない中傷や好奇の目にさらされるくらいなら、その道を選ぶほうが賢明なことのように思われた。
華菜子はメモに書かれた電話番号を震えながらスマホに打ち始めた。自然と本田奈央への怒りが湧き上がる。
「あの女だけは、絶対に許さない!」
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