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奈落の果ての異譚集  作者: 黒瀬雷牙
冒険者は奈落で堕ちる
16/31

最終話 終わりの始まり

 轟音が奈落の最深部を震わせる。

 ヒルダ、イグニス、マチルダ、最強クラスの三人の冒険者は、全力を振り絞って怨恨の黒薔薇・グラージャと、狂愛のアルカトラに挑む。


 だが、絶対の力の前に、三人の攻撃はことごとくはじき返される。神速の剣撃と魔力の奔流が襲いかかり、応戦する間もなく三人は地に伏した。

 六大将二体との戦力差は、あまりにも圧倒的だった。


 その光景を背に、クロスとフローレンスは互いの刃を交える。かつて冒険者として奈落に挑んだ二人。だが、今や片方は悪魔と化した男。


 刃が交わるたび、空間は裂け、轟音が奈落の底まで響く。フローレンスの全力の剣撃も、クロスには一切通じない。

 敵意と怒りが全てを支配するその姿は、かつての仲間の面影すら残さない。


「……終わりだ、フローレンス」


 冷たい声と共に、クロスの一閃がフローレンスを貫く。彼女は力なく崩れ落ち、奈落の闇に呑まれた。


 戦場には、クロスの静かな呼吸だけが響く。


「お見事でございます、クロス様」


「当然だ」


 アルカトラは、クロスに抱擁をした。そんな姿をよそ目に、グラージャが口を開く。


「やれやれ、まさか人間がここまでやるとはね。これじゃ、私達は三人衆ね」


「…一つ、作はある」


 クロスは、倒れたアルガードの元へと歩み寄る。


「最強の男…あなたまさか」


「そのまさかだ」


 奈落の奥底に横たわる漆黒の隕石。クロスはアルガードの遺体をそばに置く。

 瘴気がアルガードの身体を包み込み、彼に膨大な力が注ぎ込まれる。


 破滅のアルガード


 かつての雷槍の英雄は、新たな奈落六大将として覚醒する。その強さは、紛うことなき過去最強。

 もし、破滅のアルガード以上の強さがあるとするならば、この隕石に眠るとされる、災厄の魔王が真の力をもって目覚めた時のみ。


 クロス、アルガード、グラージャ、アルカトラ。

 戦いを生き残った四人は、奈落六大将改め、奈落四天王として名を轟かせた。


 以後、誰一人として彼らに挑むことは叶わなかった。

 冒険者も王国軍も、かつての英雄も、すべては奈落の闇に沈み、四天王の畏怖だけが世界に残る。


 赤黒い瘴気の中、奈落の最深部に立つ四つの影。

 その瞳には冷徹な決意と圧倒的な力しか映らない。

 そして、地上は次々と瘴気による奈落化に満たされ、世界に光は戻らなかった。


 ──終焉。

 奈落の支配者、四天王。

 絶対に抗えぬ力の象徴として、永遠に君臨した。


ーーー 完 ーーー

キャラクター紹介 No.16

【破壊のアルガード】

 かつて雷槍の英雄として名を馳せた王国最強の冒険者。奈落最深部で命を落としかけた後、漆黒の隕石の瘴気により新たな力を得て覚醒した存在。以後、奈落四天王の一角として恐怖と破壊の象徴となる。

 膨大な魔力と肉体能力を得た彼の力は、かつての英雄の比ではなく、戦術や連携を無力化するほど圧倒的。雷槍に加え、瘴気を纏った攻撃はあらゆる障壁を貫き、戦場に立つ者全てを蹂躙する。

 その冷徹な瞳の奥には、もはや人間らしい情はなく、破壊そのものを体現する意志のみが宿る。

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