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Episode 08  綾小路高次の決断

*登場人物

・池崎正人

新入生。偏った遅刻癖で問題児となるが、持ち前の行動力と運動能力で活躍するようになる。負けず嫌いで男らしい性格だが察しが悪い。様々な人間関係にもまれて成長していくが。


・中川美登利

中央委員会委員長。容姿の良さと性格の特異さで彼女を慕う者は多いが恐れる者も多い。並々ならないこだわりを学校に持ち、そのために周囲を振り回す。


・一ノ瀬誠

生徒会長。美登利の幼馴染。彼女に動かされているようでいて、実はいちばん恐れられている。


・綾小路高次

風紀委員長。堅物で融通が利かないが、意外な一面を持っていたりもする?


・坂野今日子

中央委員会書記。価値観のすべてを美登利を基準に置き絶対的に従っている。洞察力に長け、容赦なく相手を攻撃したりもする。


・船岡和美

中央委員会兼放送部員。軽快なトークが得意。明るい性格だが、今日子と同じく洞察力にすぐれるゆえ人間関係に疑問を持つこともある。


・澤村祐也

文化部長。ピアノの達人。彼も幼い頃から美登利に心酔している。


・安西史弘

体育部長。際立った運動能力の持ち主で「万能の人」とあだ名される。性格は奇々怪々。


・森村拓己

正人の同級生で同じく寮生。美登利の信奉者。計算力が高く何事もそつなくこなす。


・片瀬修一

正人の同級生。総合的に能力が高く次期中央委員長と目される。マイペースで一見感情が鈍いようにも見えるが。


・小暮綾香

正人の同級生で調理部員。学年一の美少女。恋愛に積極的で入学早々に「開校始まって以来のプレイボーイ」佐伯裕二と付き合うが。


・須藤恵

綾香の親友。大人し気な様子だが計算力が高く、けっこうちゃっかりしている。


・宮前仁

美登利と誠の幼馴染。市内の不良グループをまとめる櫻花連合の総長になるため北部高校に入学した経緯を持つ。


・錦小路紗綾

綾小路の婚約者。京都に住んでいる。美登利とも仲が良い。

 その日、池崎正人は朝から上機嫌であった。

 かつてあまりの遅刻魔ぶりで綾小路風紀委員長を本気で怒らせたあの正人が、三つ常備している目覚ましが鳴る前、なんと早朝六時に起きだしてきたものだから、天変地異の前触れか、あるいは槍でも降ってくるのかと、森村拓己をはじめ寮生たちは不安げな眼差しで空を見上げたものだった。

「めっずらし。池崎が森村と一緒に登校とは」

 目を丸くした片瀬修一に拓己はうそ寒そうに首筋を撫でながら囁いた。

「だろ? ぼくもう、怖くて怖くて……」

「おまえらなんとでも言え。今日から四日間、学校はおれにとって天国だ」

 片瀬は呆れたように顔を上げた。

「なんだ、そういうことか」

 頬を膨らませて拓己は正人を睨みつける。

「美登利さんのいない学校なんてなんにも楽しくないよ」

「お、森村ぁ。須藤の前でも同じこと言えるのか?」

「う……」

 言葉に詰まった拓己を正人は勝ち誇った顔で見下ろした。

「池崎って性格変わったよね。すごい意地悪になった」

 おどろおどろしい拓己のつぶやきは高笑いする正人の耳には届いていない。

 片瀬はやれやれと頭を掻いた。

「ふたりとも、おおげさだぞ。たかが修学旅行じゃないか」

 そう、二年生は修学旅行なんである。


 昼休み、二年生のいない学食はあまりに静かで、人が少ないからゆっくりできるなどと呑気にかまえていた一年生は肩を窄めることとなった。

 なにしろ三年生は既に受験モードに突入していて、しんとしたまま参考書や単語カードをめくりながら食事をしている。

「食った気がしなかった」

 早々に食事を終えて逃げ出した正人たちは胃をさすりながら昇降口前を歩く。

 つくづく今の青陵は二年生を中心に回っているのだ。いや、三大巨頭を、か。

「美登利さんたち、今頃どこにいるんだろう」

「今日は一日奈良で、明日は京都に移動だったよな」

「私立の高校で奈良、京都なんてチンケだな」

「アンケートで決まったんだからいいんだろ」

 片瀬の言葉に正人は目を丸くする。

「修学旅行の行き先までアンケートで決まるのかよ」

「保護者、教員含めな。去年は北海道一周だったか?」

「池崎はどこに行きたい?」

「行ったことないとこならどこでもいいか」

「わたしは沖縄がいいなあ」

 いつの間にか後ろにいた須藤恵が会話に入ってきた。

「沖縄かあ」

「みんなでシュークリーム食べない? 昨日部活で余ったのこっそり冷蔵庫に取っておいたんだ」

 恵と一緒にいた小暮綾香がタッパーを抱えている。

「マジか」

「あ、じゃあ中央委員会室行こうよ。好きに使っていいって言われてるし」

「行こう行こう」

 いちばん後ろを歩きながら正人はぼんやり窓の外を眺めたりする。

(なんか、平和だ)

 

 一日目の夜。入浴を終えたクラスから自由時間となっていて、澤村祐也は飲み物を買いに自販機コーナーに向かった。

 ベンチの隅に中川美登利を見つけて嬉しくなる。お茶の缶を持って掲示板のポスターをぼんやり眺めている。

 声をかけようとしたが向こうから一ノ瀬誠が来て彼女の隣に座ったので、澤村は慌てて体を引っ込めた。

 かち合わなくてよかった。ほっとしていると横から誰かがペットボトルの水を差し出した。

「よかったらとうぞ」

 船岡和美だった。自分の分もあるから、と仕草で示している。

「ありがとう」

 なぜかそのまま物陰でふたりで水を飲んだ。

「人前で一ノ瀬くんが美登利さんにくっついてるの珍しいよね」

「うん」

「一部おかしなテンションになるのもいるからな。ガードのつもり?」

「誠くんの方でも風よけがほしいのかも」

「それだ」

 和美は空を仰ぐ。

「なにやってんですかー。こそこそと」

「びっくりするから、やめてよ坂野っち」

 不意に現れたと思ったら坂野今日子は剣呑な目をする。美登利と誠に気づいたからだ。なんの躊躇もしないでふたりに近づき反対側の美登利の隣に腰を下ろす。

「うわあ。坂野っち、さすが」

 和美が感心しているとわっと遊戯室の方から歓声が上った。

「てめ、安西このやろう」

 漏れ聞こえてくるのはどうやら白石渉の声だ。懲りもせずに安西史弘と卓球をしているらしい。

「行ってみる?」

 和美に誘われ澤村は「うん」と頷いた。



 翌日の放課後、正人ら中央委員会の一年たちは、園芸部を手伝って屋上で作業するため北校舎の階段を上がっていった。

 ペントハウス内の暗がりに人がいるのに気づく。三年の佐伯裕二だった。

「早く開けてくれない」

 鍵を持っていた拓己が慌てて出入り口の扉を開く。

 屋上はまだ作業中で関係者しか立ち入らないはずだが、佐伯は慣れた様子で梯子を上りペントハウスの上へ姿を消した。

「佐伯先輩はいいよって、部長が。時々お手伝いしてくれたりするし」

「そうなの?」

 園芸部の女子に言われて拓己はますます戸惑う。

「重いもの運んでくれたりするんだよ」

「なんか変わったね、あの人。丸くなったっていうか」

 もともと正人は佐伯をよく知らないから返事のしようがない。

 今日は耐根シートの上に排水マットを敷き詰める作業をする。花壇や芝生になる場所にはピンコロで縁取りがしてあるので大分完成図が見えてきていた。

 モルタルで固定した内側にマットを敷いていく。

「部長たちが帰ってきたら土の搬入だよ」

「やっと苗を選べるね。みんなで選びに行くから楽しみなんだ」

 作業中見上げてみると、佐伯裕二は単語帳を繰りながら時々ぼんやりと雲をながめているようだった。



 奈良から京都への移動は班行動とされていたがそんなものは建前、てんでバラバラに朝から京都に向かう者たちもいれば奈良でゆっくりする者もいた。

 美登利たちは室生寺まで足を延ばした後のんびりと電車に乗って京都に移動した。

 電車の中で綾小路が話しかけてくる。

「明日なんだが……」

「紗綾ちゃんとデートでしょ」

 先回りされて綾小路は言葉に詰まる。

「行ってくれば。適当にごまかしとく」

「ああ。頼む」

 恋人のことを考えているわりには綾小路は硬い表情だ。

「中川よ」

「なにさ?」

「いや、やっぱりいい」

 らしくない様子に美登利はさすがに眉を曇らせたが、綾小路はそれ以上なにも言わなかった。


 翌日、待ち合わせにやって来た錦小路紗綾は、気のせいではなく先月より背が伸びて見えた。

 紗綾のリクエストで随身院の庭を歩く。

「学校はどうだ、楽しいか?」

「そうね。まあまあかな」

 有名な深草少将の百夜通いの伝説の榧の大木の前で紗綾は立ち止まった。

「ねえ高次。ちょっと持ち上げてください。あの枝の実をもっとよく見たいの」

 小野小町を慕って雨の夜も雪の夜も通い続けて九十九日目、最後の百日目に思いを残して世を去った深草少将。少将が亡くなった後、小野小町は糸に綴って数えていた九十九個の榧の実をここに播き、そこから成長した大木の実は昔の名残で左右に糸を綴った跡が見られるという。

 綾小路が抱き上げてやると紗綾はじっと榧の実に見入った。

「わたし、小野小町ってきらいだわ」

 くちびるを尖らせて紗綾はきっぱり言い切った。

「どうしてそんなひどいことしたのかしら? ちっともわからない」

 憤慨した口ぶりで言ったかと思うと紗綾は急に黙り込んだ。

 地面に下りた後もじっとその場に立って俯いている。彼女が今なにを葛藤しているか綾小路はわかる気がした。

「あのね、高次。怒らないで聞いてくれる?」

 恐る恐る紗綾は彼を見上げた。

 黙ったまま促すと紗綾は小さな声で一息に言った。

「もし高次だったらわたしのために百夜通いしてくれる?」

「おまえはそうしてほしいのか?」

 問い返すと紗綾は小さな肩をすぼめて下を向いた。

「ううん。わたしきっと我慢できないと思う。待ってるだけなんていや。高次にだけ大変な思いさせるなんていや。会いたかったらわたしが会いに行く」

 大きな瞳を見開いて紗綾は訴えた。

「高次に会ったらいけないって意地悪されて閉じ込められても檻なんか蹴破って会いに行く。負けないんだから」

 架空の話だというのにあまりに必死に少女が言うので、悪いと思いながら綾小路は吹き出してしまっていた。

「高次ったらなにがおかしいのよ」

「すまない」

 なんとか笑いを収めた後、真面目な表情を作って彼は紗綾に意見した。

「でもな、お姫様は助けが来るのを待っているものだろう?」

「そんなの誰が決めたのよ。自力で脱出して王子様を探しに行くお姫様だっているわ。だからわたしだってがんばるの。ねえ、そしたら高次は喜んでくれる?」

 綾小路は答えることができなかった。「がんばれ」などと無責任なことは言えないし「おまえは無理しなくていいんだよ」と言えるほどのものを自分はまだ持っていない。

 悩んだあげく、彼は黙って紗綾の頭を撫でた。いつもだったら子ども扱いするなと怒るところなのに紗綾はぎゅっとその手にしがみついてきた。

 そうして手をつないだまま梅園の脇を通ったとき、紗綾が言った。

「今年は梅も桜も逃してしまったけど今度は一緒に紅葉狩りに行きましょうね。わたし楽しみにしてるから」

「ああ。そうだな」

「さっき聞き返そうとして忘れてたわ。高次は? 学校楽しい?」

「ああ。楽しいよ」

 そうでしょうね、と紗綾はつないだ手を軽く揺らした。


「留学?」

 池を渡る回廊の半ば。美登利の驚いた声に反応するように強い風が吹き、彼女の手にした赤い和紙の風車が勢いよく回った。午前中、哲学の道で誠が買ってやったものだ。

 いつでも賑わっている清水寺一帯からさほど離れていないのに、この高台寺はおもしろいほど観光客の姿がない。美登利が好む所以だ。

「千重子理事長から両親を通して打診があったそうだ」

「えぐい真似してくれるね」

「あそこの親は俺たちの家みたいに理解があるわけじゃないし動揺しても仕方ない。あいつを責めるなよ」

 真顔で誠が言うと、美登利も真面目な顔をして池の水面を見下ろした。

 色とりどりの錦鯉が優雅に水中を滑って行く。風を受けて風車が音もなく回る。

「そんなに悩むようなことかなあ」

「そりゃ悩むだろう。もともとあいつは完璧な人生設計のもとにエリート街道まっしぐらに走ろうとしてた奴なんだから」

 欄干に頬杖をついて美登利は眉を寄せる。

「でもさ、結論なんて目に見えてる気もするんだよね」

「賭けるか?」

「いいよ」

 ふたりは同時に指を開いた。

「断る方に五千円」

 ぴたりと声が重なって、水面近くにいた鯉が波紋を残して勢いよく逃げていった。

「これじゃあ賭けにならないな」

「ほんとだね」

 空を仰いで美登利はくすくす笑った。



 今日は自分一人でできるから帰っていいと片瀬が言ってくれ、正人と拓己はそれに甘えて早めに帰ることにした。

 買い物に行くかと話し合いながら商店街の方へ足を向ける。

 イベント広場の前を通りがかったところで拓己が足を止めた。

「宮前さんだ」

 イベントの際にはステージが作られる土台の脇に高校生たちがたむろしている。その中のひとりがこっちに向かって手を挙げた。

「おう、拓己じゃねえか」

 北部高等学校の二年生、宮前仁だ。地域一帯の不良グループを取り仕切る櫻花連合の現総長でもある。

 来い来いと手招きされて拓己はそっちに走り寄っていく。宮前が自分のことも呼んでいるのに気づいて正人は後に続いた。

「時間があるなら俺の話し相手になってくれ。コーヒー奢ってやるから」

 手近な者に缶コーヒーを買いに行かせた後、宮前は彼らを解散させた。

 自分たちだけになったところで拓己は正人に話した。

「池崎知ってる? 宮前さんは三校を股にかけた男って言われてるんだ」

「小学部まで西城にいて中学は青陵、で高校は北部に行ったからさ。これであと江南高に転校すれば『四強を渡り歩いた男』になるんだろうな」

 自分で言って宮前は笑う。

「中川と綾の字はうまくやってるか?」

「そうですね、喧嘩はしてないですよ」

「そいつは良かった」

「綾小路さんと知り合ったのっていつなんですか?」

「綾の字はもともと市外の小学校にいたんだよなあ。中学で西城に来たから、それを無理やり中川が引っ張ってきたんだ。初めて会ったのは小学生のとき、五年……六年のときか? 中川が初対面の綾の字に果し合いを申し込んだんだ」

「なんで……」

 思わず正人は唸るようにぽろっと言う。

「なんでって、その頃中川は強い奴と見たら片っ端からやり合っててさ。デキるって思ったんだろ。交流試合で見つけた綾の字にも目を付けたわけだ。そしたら綾小路ときたら……」

 おかしくてしょうがないらしく、笑いをこらえながら宮前は続けた。

「こう言ったんだとよ」

『女と交える拳はない』

「んで中川が激怒してさ。さんざん押し問答したあげく誠が提案したんだと」

『なら僕と勝負しよう』

「自分は中川より腕が劣るから、その自分に負けるようなら綾小路のが下なんだろうって」

「それで、どっちが勝ったんですか?」

 興味津々で拓己が尋ねると途端に宮前は渋い顔になった。

「それは俺も知らない」

「そんなあ」

「あいつら三人が三人とも口を固くしちまって今でも教えてくれないんだ。拓己、おまえ聞いてこいよ」

「宮前さんにも話さないことを僕なんかに教えてくれるわけないじゃないですか」

「そこをなんとか」

「無理です」

 そんなこんなで時が経ち、

「そろそろ開放してやるか」

 宮前がつぶやいたのを合図に拓己は自販機のところに空き缶を捨てに行った。

 その間、宮前が正人に話しかけた。

「おい池崎。いいこと教えてやろうか?」

 いたずらっこそのままの表情で宮前は続ける。

「中川の弱点。知りたいだろう?」

 それは是非とも知りたい。思いが顔に出たのだろう。宮前は強く念を押してから声を潜めた。

「いいか、俺から聞いたってことは誰にも言うなよ。あのな……」


 

 復路の新幹線で、美登利が綾小路のところにやって来た。

「紗綾ちゃん元気だった?」

「元気だな。身長が伸びたようだ」

「それはそれは」

 それだけで自分の席に戻っていった。

 往路のときと違いほとんどの生徒は寝入っていてとても静かだ。綾小路はしばらくの間、どんどん過ぎ去っていく窓外の風景を見ていた。

 平坦にならされたまっすぐな道を、既に見晴るかせる場所を目指して脇目も振らずに走って行くのと。山あり谷あり障害ありの道を、時には寄り道をしながらまだ見ぬ何かを目指して進んで行くのと。

 どちらを望むのかと問われれば、答えは決まっている。

『私と勝負しない?』

 道着姿も勇ましい長い三つ編みの髪の少女が開口一番言い放ったときから。あのときにはもう綾小路の世界は一変していたのだ。

『勝っても負けても恨みっこなしだ』

 初対面の一ノ瀬誠と対峙したとき、まるで鏡に映った自分と向かい合っているようだと思った。己を磨くことのみに終始して、まるで余裕のない目をしている。自分と同じ目だ。

 こいつとなら競い合っていける。そう思った。こいつとなら本気でやりあえる。

 ところが後日再会したときには一ノ瀬誠はすっかり変わってしまっていて、その腑抜けぶりに拍子抜けするやら腹立たしいやらで、気持ちにケリを付けるのに随分と時間を要したものだった。

『こっちに来なさいよ。後悔させないから』

 口説き文句のようなその言葉にほだされた訳ではなかったけれど、

『退屈したくないでしょう? 私たちと来るなら楽しい苦労が山積みだよ。苦労性のあんたにはぴったり』

 後半のセリフはともかく最初のフレーズは気に入った。堅物と名高い自分にそんなことを言えるのは彼女が最初で最後だろう。

「まったくもって、おまえらといると飽きないからな」

 結論は初めから出ていた。決断なら、とうにすませているのだから。

 つまりはそういうことなのだ。

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