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学校の先生の魅力はこれだ!②

「保護者からの要望、ですか」

 今野が一瞬反芻してから、言葉を選びながら

「管理職とも相談の上、基本的には保護者の要望に沿えるように教育活動を行っています。保護者とは信頼関係を築いていかねばならないと考えておりますから」

 とぼやかした答えを出した。

 その答えを気に入った課長はさらに

「では、保護者の方が、仕事で忙しいから夜の二十四時まで学校で生徒を預かってほしいと要望されたらどうしますか?」

 そんな要望、受け入れるわけないだろと今野は呆れた。きっとコイツは教育現場のことをミジンコ一匹分も理解していない。

「もし、その要望が上がれば、教員が交代で生徒を預かります!」

 即答したのは軍馬だった。

「保護者の要望に応えることが教員の最も大事な使命の一つだと思っています。ましてや、生徒のため。生徒のためなら粉骨砕身! こそが教員としてあるべき姿ではないかと」

 大学生たちからどよめきが起こる。

「まさに理想の教員像ですね」

 と課長は上機嫌の反応だ。

 もう駄目だ。駄目すぎる。大学生の反応を見てもそれは明らかなのに、課長はそれに気付いていない。

「進学校では、生徒の預かりという業務はないと思いますが、後夷先生はどうですか?」

 最後に話を振られたのは進学校勤務の後夷だった。

「はい、確かにそんなことは今まで一度もありません」

 まともな対応だ、と平木谷は少し安堵したが

「ただ、深夜家庭訪問制度があります。予備校で分からなかった内容を、教師たちが家庭に赴いて教えるという要望が保護者からありまして、職員会議で決まりました。大体二十三時くらいまで家庭訪問することがありますので、軍馬先生のパターンと逆ですね」

 最後で肩を落とす結果となった。

 学生からは笑い声が上がった。

 それは歓喜ではなく、嘲笑に近い。

「皆さん、素晴らしい教育活動を展開されております。保護者に寄り添い、保護者の信頼に応える! これができて初めて、一人前の教師になると思います。大学生の皆さん! こんな魅力あふれる職業はありません。ぜひ! ぜひ! 我が県の教員になりませんか! やりがいとスペクタクルがあふれる毎日を一緒に過ごしましょう!」

 課長はマイクを握りしめ、そう熱弁して、その場を締めた。

こんばんは、星見です。

土日にまとめ書きをしています。

何だかギャグテイストというよりは真面目な内容だなーと思っているので、ここからさらにギャグを入れて面白くしていきたいと思います。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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