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呪詛返死  作者: HasumiChouji
第1章:国会
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 翌日、千葉県柏市に有る一般企業に勤務している小説家の内海冬美の夫の更に兄は新宿警察署に呼び出された。

 内海冬美の夫が宿泊していたサウナで不審死を遂げた為の事情聴取だった。

「すいません、馬鹿馬鹿しいかも知れませんが、不審死扱いなので記録を取る必要が有りまして……」

「は……はぁ……」

 本当にすまなそうな表情の若い警官に……弟の死と何の関係が有るのか判らない質問をされた。

 最近の弟との関係、愛知県在住だった弟が東京に居た理由、弟が死んだ前日に事故死した弟の妻について……。

 死因は、サウナに入った直後に冷水浴をした結果の心臓発作と見られていると説明を受けた。

 それなのに、何故、そのような質問を受けるのか。

 理不尽な状況だと思いながらも……自分より三〇以上も若い警官を困らせるのも大人気(おとなげ)ないとも考え、イチイチ答えていた。

 もっとも答えの多くは……「わかりません」だったが……。

 事情聴取も終り……近くの喫茶店に入り、スマホの電話帳に弟の妻の家族の番号を登録していないか、駄目で元々と思いながらも調べてみる。

 当然ながら、登録されていない。

 弟の妻が死に、その翌日には弟も死亡。

 葬式その他の厄介事をどうするか……。

 脳裏を過っているのは、哀しみでも困惑でもなく、これから起きる「やるべき事」を、どうやって1つ1つ事務的に処理していくか、という事だけだった。

『親父とお袋が死んだ時の予行演習になるかな……?』

 不謹慎にも、そんな考えさえ、頭を過った。

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