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 依頼を受けたネメアとクレタは、急いで馬車に乗り、運転手に超特急で飛ばしてもらって、件の連絡船が停泊している港まで向かった。通常なら4日かかる距離を、3日に短縮してもらえたので、二人は運転手に心の底から感謝し、料金を多く支払った。


 この港は、以前ゴーレムを討伐した所とは別の場所で、そこよりも町がこぢんまりとしている。人気は少なく、ゆったりとした波の音が聞こえてきて、磯の香りがツンと鼻を突く。


 さっそく停泊所まで行くと、周りの貨物を乗せた船と比べて、一回り小さい船があった。羊の角の絵が描かれた白い帆が、風を受けてはためいている。これが、今回護衛する連絡船だ。


 甲板に人影が見えたので、ネメアは大きな声で呼び掛けた。


「すみませーん、この船の護衛の依頼を受けた冒険者なんですけどー!」


 彼の声は届き、錨のマークがついた白い帽子を被った、ふくよかな男性がこちらを向いた。


「おー、やっと来たか! いつもなら、オイラんとこの船の護衛の依頼は人気が高くて、すぐに冒険者が来るんだが、今回はなかなか来なくて焦ったよ」


 ドタドタと効果音が付きそうな勢いで走ってきて、船長は船から降り、二人の前で帽子を取って、頭を下げた。


「どーも、オイラはアール号の船長、ルーゴ・ゴールドだ。お二人さんは……あぁ、ヘスの奴がやたらとオイラに紹介してきた、ネメアくんとクレタくんか」


 二人を見て、ルーゴは浮かない顔をした。


「本当は、船の護衛は四、五人欲しいところなんだけど、お二人さん、めちゃくちゃ強いんだってね。


 でもオイラは、まだ信用しちゃいない。ヘスの奴はうちの近所に住んでるんだが、小さい時から、口から出任せばっか言うんでね。どれほどの腕前か、見せてもらえないかい?」


 ルーゴにそう言われて、ネメアは苦笑を返すしかなかった。一方クレタは、自信満々に頷いた。


「どうやって、私達の強さを証明すれば良いですか?」


「おっ、クレタくんはやる気があって良いねぇ。オイラ、船員と話して、君たち二人が来たら、護衛ができるかテストすることにしていたんだよ。そのテストに合格できたら、護衛の任務をさせてあげよう」


「分かりました。一緒に頑張りましょう、ネメアちゃん」


 クレタが声をかけると、ネメアは頷いた。


 二人がテストを受ける事を決めたので、ルーゴがアール号に向かって手を叩いた。すると、客室、操舵室、帆の裏、甲板の影から一人ずつ、船員が現れた。みな、頭に白いバンダナを巻いている。


「こいつらが、的を持って船内を動き回るから、五分以内に、二人で全部の的を壊せたらテスト合格だ。さあ、船に乗ってくれ」

 

 ルーゴが背中を押して、二人をいそいそと船の上に立たせた。船員達は甲板の上に一列に並ぶと、懐から赤い丸が描かれた直径10センチの板を取り出した。


「的を破壊するのに、武器や魔法を使ってくれても構わない。ただし、オイラの大事な船員達と、アール号に少しでも傷を付けたら、即失格とする」


 ルールを説明すると、ルーゴは操舵室へと入っていき、砂時計とホイッスルを持って戻ってきた。


「それでは始め!」


 彼はホイッスルを吹くのと同時に、砂時計を逆さまにして床に置いた。船員達はみな、一斉に散らばった。


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