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見たくないです!

 ファイヤースネークを倒したネメアは、肩で息をしながらも、次第に口角を上げていく。深呼吸をし、彼はクレタに向けて報告した。


「やりましたよ、クレタさん! ファイヤースネークを倒しました!!」


 7体のファイヤースネークを相手取っていたクレタは、ネメアの方を振り向くと、助走をつけてジャンプし、一気に距離を詰めてきた。


「よくやったわ、ネメアちゃん。今すぐ抱き締めて、誉めてあげたいところだけど、ファイヤースネークが追ってくるかもしれないから、まずは牙と抜け殻を回収して、ここから撤退しましょう」


「はい」


 二人は、倒れているファイヤースネークから牙を二本抜き取り、砂地に落ちている二枚の抜け殻を拾って、居住区の付近まで戻った。


 一段落つき、クレタは宣言通りネメアを抱き締め、頭を撫でた。


「凄いわネメアちゃん。本当に、よく頑張ったわね」


「へへへ、ありがとうございます。クレタさんが7体のファイヤースネークを惹き付けてくれたおかげで、精一杯戦うことができました」


 彼はデレデレと顔を緩めた。このまま満足するまで甘やかしてもらおうかと思ったが、さすがに恥ずかしいので、速やかに離れた。


 すると、彼女の着ている赤いドレスがボロボロになり、裾が膝より上まで溶けているのが目に飛び込んできて、ギョッと目を見開いた。


「わっ!? クレタさんの服、ボロボロじゃないですか! すみません、俺がモタモタしていたせいで、こんなことになっちゃったんですよね。怪我はありませんか?」


「平気よ。怪我は回復魔法で治したし、服は買い換えればいいわ。それより、ネメアちゃんは大丈夫?」


「俺も大丈夫です。あっ、でも、ファイヤースネークに切り口を発火させる短剣を奪われて、地中深くに埋められちゃいました。あの剣、便利だったんだけどなぁ」


 戦っている最中は気にしないようにしていたが、やはり、切り口を発火させる効果がある短剣を失ったのは、とても残念だった。ネメアはしょんぼりと頭を下げる。そんな彼の肩に手を置いて、クレタは慰めた。


「新しい武器を買いに行きましょう。きっといいのが見つかるわ。私も今回の戦いを経て、Aランクパーティーが討伐しにいく強さの魔物と戦う時は、防具を着けた方が良いと気づいたの。エリュマの武器屋にいかない?」


 彼女の提案に、彼はこくりと頷いた。


「そうしましょう。あの、服の方は……」


 チラッと彼女の足元を見て、彼はカァァッと頬を赤く染めると、すぐに目線を反らした。彼のあからさまな態度に、彼女はクスクスと笑う。


「ネメアちゃんったらうぶね。それは明日買いに行けばいいと思ってたんだけど」


「駄目ですよ! 目のやり場に困ります!」


「あら、本当はジロジロ見たいんじゃない?」


 見せつけるように、クレタは右足の膝を上げた。ネメアは手の平で顔を覆う。


「あー!! 本当にやめてくださいよ!! えっと、何か隠すものは……」


 彼女から背を向け、四つ葉のペンダントを握りしめてアイテムボックスを召喚し、大きな布がないか探った。火山へ登る時に買った外套が見つかったので、それを取り出し、目を瞑って彼女に渡した。


「気が利くわね、ありがとう」


 彼から外套を受け取った彼女は、それを腰に巻き付けた。


「もう目を開けていいわよ」 


 彼女が合図すると、彼はうっすら瞼を開けて確認し、本当に大丈夫だと分かると、「ふぅ」と溜め息を吐いた。


 その後、二人は居住区に入って宿屋に泊まり、一夜を過ごした。


 

追記:エリュマの店に明日行くというセリフがありましたが、距離的に無理なので修正しました。

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