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真っ二つにしましょう

 ケネイアは、ネメアとは反対側の足を攻撃しに向かった。右の足は、ネメアを助けた時に足首から下を崩したので、ネメアが攻撃している左の足より、一段低くなっている。


 剣を振り上げ、彼はふくらはぎに大きな切り傷を入れた。そのまま剣を抜かずに柄の先端を握って、ぐるりと足の周りを一周する。ふくらはぎが大きく切り崩された。


 ゴーレムがバランスを取れなくなってよろける。すかさずクレタがケネイアを担ぎに行き、その次にネメアを回収しにきた。ネメアは彼女が来ると、剣の柄を叩いて切っ先を元の長さに戻した。剣を抜いたそこはぽっかりと穴が空いていて、向こう側の景色が見えた。


 クレタが二人を肩に担いで飛び上がった瞬間、ゴーレムが膝を着いた。地面にヒビが入り、倒壊した建物の残骸が崩れ落ちてくる。


 それを見て、ネメアは思いついた。振動から無事に逃れ、クレタが着地した後、地面に下ろされた彼は質問した。


「クレタさん、俺を担いだ状態で、ゴーレムの頭の上まで飛べますか?」


「ここまで体が低くなればできるわよ。でも、何をするつもりなの?」


「上から剣を叩きつけます。この剣が最大まで伸びたら、一刀両断できると思うんです」


 ネメアの思い付きを聞いたクレタは、目を丸くした。だが、すぐに笑顔を浮かべた。


「分かったわ、やりましょう」


 横から二人の会話を聞いていたケネイアも、頷いて口を開いた。


「それなら、私が囮役を交代しよう。ネメアくん、頼んだよ」


 ケネイアとネメアは目が合った。避難所で待機していた方が良いと言ってきた彼が、「頼んだよ」と言ってくれた事に、ネメアは顔が綻んだ。


 ゴーレムが手の平を着いて、膝をズリズリと動かしながら、こちらを向こうとしている。ケネイアがクレタに、目線で「後ろへ回れ」とメッセージを送った。それに従い、クレタはネメアを背負って走り出した。


 正面を向いたゴーレムは、ケネイアに対して滅茶苦茶に拳を叩きつけた。彼はその攻撃の全てを、剣で受け止めて流した。徐々にそいつの腕が削れていく。


 後ろに回ったクレタは、ネメアを手前に抱え直し、地面に積み上がったゴーレムの足の残骸を踏み台にして、空高く跳んだ。頭上まで到達すると、ネメアを放り投げた。


 宙に浮かんだネメアは、柄を握りしめて両腕を上げた。ぐいんと伸びた切っ先を、ゴーレムの頭に振り下ろす。重力によって剣はどんどん沈んでいき、大きく揺さぶられた。転落してしまわないよう、彼は必死で柄にしがみつく。


 両腕にかかる負担は凄まじいもので、ブチブチと血管の切れる音がした。激しい痛みに襲われるが、彼はグッと堪え、回復魔法の呪文を頭の中でも唱える。壊れそうな腕を何とか持ちこたえさせた。


 地面に足が着くと、強い衝撃が全身に響いた。立っていられなくなり、ネメアはその場に倒れこむ。彼が倒れた後に続いて、ゴーレムの体が左右に分かれてドシンと落ちた。彼は見事に、ゴーレムを一刀両断してみせたのだ。


 

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