二人は鮮やかです
外へと出て、三人はゴーレムの元まで急いだ。最後に見た位置から五歩分移動していて、倒壊した建物が増えている。
ケネイアが鞘から長剣を取り出し、ネメアも貸してもらった剣を取り出した。クレタは、一人でゴーレムの目の前まで走っていく。ゴーレムは眼下に彼女が来ると、右手の拳を振り上げた。
迫る拳から逃れる素振りを見せず、彼女はその場に突っ立っている。あのままではぺしゃんこにされてしまうと思い、ネメアは慌てた。だが、ケネイアはそれを構わずに、剣を構えてゴーレムに突っ込んでいく。
彼の剣がグサリとゴーレムの踵に突き刺さった。そいつは振り上げていた拳をピタッと止める。その隙に、自分の頭上の二メートル上にある拳に向かってクレタは飛び上がり、指を組んだ腕をハンマーのように打ち付けた。
ゴーレムの踵の表面と、右手の指の第一間接が全て崩れ落ちた。土の固まりがその場に積み上がる。クレタとケネイアは目を合わせて頷いた。
出遅れたネメアは、二人の見事な連帯攻撃に見とれた。だが、そんなことをしている場合でなかったと我に返り、自分もゴーレムの元まで近づく。
その時、先ほどまでゴーレムの前に立っていたクレタがいなくなった。何事かと思って度肝を抜いていると、背後に気配がして、体が持ち上げられた。振り向くと彼女の顔があって、肩に担がれていることが分かった。
次の瞬間には、もう片方の肩にケネイアが担がれていて、内蔵がフワッと浮き上がる感覚に襲われた。突然のことで気持ち悪くなり、えずいてしまう。
鼻から息を吸って落ち着くと、ネメアは顔を上げた。今、自分は宙に浮いている。地面との距離は六メートルほどだ。怖くなって目を閉じた。その間にゴーレムが足を動かしたのか、ドシンと音が響く。
これはあっという間の出来事で、ネメアはすぐに地面へ下ろされた。どぎまぎして手足が動かない。一方、横で担がれていたケネイアは戦闘態勢に戻っており、また剣を構えていた。クレタもゴーレムの前に立っている。
二人の戦いのレベルの高さに、ネメアは溜め息を吐いた。ここに自分がいたら、やっぱり足手まといなんじゃないか。そんな気がしてくる。
それでも、何もしないままでいるわけにはいかない。ネメアは剣の柄を握りしめて、ゴーレムに駆け寄った。
走るたびに、剣の切っ先が伸びていく。ネメアが足首にそれを突き刺す頃には、ケネイアの長剣と同じぐらいの長さになっていた。だが、ネメアは彼と同じぐらい深く刺すことはできなかった。
歯を食い縛り、両手で柄を握り続け、体を押したり引いたりする。すると、剣が徐々にめり込んでいった。本当にケネイアは、茶化してこの剣を渡したのではないのだと分かり、ネメアは心の中で彼に感謝した。




