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もしも空を飛べたなら

 目を閉ざして暗闇をつくり、ネメアは自分の世界に入って集中した。ケネイアさんをギャフンと言わせられる作戦を考えなくては。


 まず、ゴーレムの特性についてまとめてみよう。


 ゴーレムは二階建ての家を越えるほど大きくて、少し足を動かしただけでも、地震のような振動が伝わってくる。体も固く、ナイフを刺すのに一苦労させられた。あの時ナイフの持ち手にガンガン打ち付けた肩が、まだヒリヒリと痛む。


 その代わり動きはとても遅いため、逃げる時間や連撃を与える隙があった。ケネイアさんの助けが間に合ったのも、ゴーレムの動きが遅かったおかげだ。


 今挙げた特性に合わせて戦うのなら、誰か一人が囮になって、ゴーレムに集中を向けさせつつ、他の二人が攻撃するのがいいだろう。


 だが、攻撃しようとゴーレムに近づけば、震動で体が痺れて動けなくなってしまう。メインで攻撃する二人も、囮役も、全員遠距離から攻撃する必要がある。


 遠距離攻撃と言えば、魔法や弓矢だ。しかし、あの固さの体に矢が刺さるとは思えないし、魔法が効くかも分からない。ネメアは一度目を開けて、クレタに質問した。


「クレタさん、ゴーレムに魔法は効くんですか?」


「普通のゴーレムなら効くけど、この町のゴーレムはどうかしら?」


 眉を潜めて、クレタは自信無さげに答えた。彼女の代わりに、ケネイアが答えを言う。


「魔力ステータスが200ぐらいなきゃ、効かないだろうね。私やクレタのように100あっても、せいぜいかすり傷が付く程度だ。この町のゴーレムは、魔力耐性が強い。


 私は君たちが来る前に、町の人々を避難させながら戦ったが、まともにダメージを与えられたのは物理攻撃だけだったよ」


「そうですか。ありがとうございます」


 礼を言って、ネメアは再び目を閉じた。ゴーレムの身動きのとろさなら、詠唱に時間のかかる強い魔法を当てればいいと思っていたが、一筋縄ではいかないようだ。


 遠距離攻撃でダメージを与えるのが難しいとなれば、震動に立ち向かう方法を考えたほうがいいだろう。


 もしも鳥のように飛べたのならば、どれだけ地面が揺れようとも、影響はいっさい受けない。鳥の獣人なんかは、両手が翼になっていて、空を飛ぶことができる。だが、この場に鳥の獣人はいない。


 それでも、ほんの少しでも滞空できれば、震動に打ち勝つことができる。どうやって空を飛ぼうか考えて、そして思い付いた。


 そうだ! クレタさんの身体能力なら、高く跳ぶことができる。ゴーレムが足を動かしそうになったら、クレタさんに肩へ担いでもらって、跳び上がってもらえばいい。


 それからもう一つ、ネメアは良いことを思い付いた。ゴーレムの体が石や土でできているなら、自分はナイフを使うよりも、クワを使った方が、ダメージを与えられるかもしれない。農家をしている人から貸してもらおう。


 作戦がまとまり、フッと一息ついて、ネメアは目を開けた。ここまで考えるのに使った時間は、体感で五分だ。クレタとケネイアが彼に注目する。彼は自信たっぷりに作戦を伝えた。

 




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