表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/180

変な交渉しないでください!

 ネメアとクレタは冒険者ギルドに向かった。夕方の時間帯とあってか、他の冒険者はほとんどいない。依頼は朝の内に受ける者が多いのだ。


 二人は受け付けに行くと、まずはアンデッドを倒した際に貰った、感謝状を提出した。それを受け取った受け付け係の青年は、換わりに金貨一枚の入った袋を二つ用意して、それぞれ彼らに渡した。


 Bランクパーティーが倒しにいく魔物とあってか、報酬はそれなりに良い。普通の宿屋なら十泊できるほどの賃金だ。二人はアイテムボックスに金貨の入った袋をしまった。


 それからクレタが、ゴーレムの討伐依頼を受けられるかどうか尋ねた。


「ゴーレムの討伐依頼があったら受けたいんですが、ありますか?」


 受け付け係の青年は真顔で頷き、険しい表情を見せた。


「はい。今朝、貿易船がバンバンくる港町で、ゴーレムが暴れだしたって話が舞い込んできましたよ。


 そのゴーレム、かなり強い魔術師がつくったもので、しかもその魔術師が行方不明になっているんですよ。だから、Aランクパーティーの方達にしか、依頼を受け付けていません。


 お姉さん達、見たところ二人しかいませんよね。パーティーメンバーが二人だけだとランクが測れませんし、この依頼は諦めてください」


 パーティーのランクは、パーティーメンバーが四から五人いないと測ることができず、全員のステータスの合計によって決められる。四人パーティーなら合計値が1560、五人パーティーなら1950でAランクとみなされる。


 話を聞いたネメアは、内心とてもホッとした。修行によって着実に強くなってきたとはいえ、Aランクパーティーが倒しにいくような魔物と戦うには早すぎる。無謀なことをして、命を危険にさらすのはよくない。


「別の魔物の討伐依頼にしましょう」と言おうと思い、彼は口を開いた。だが、言葉を発する前に、クレタが受け付け係の青年と交渉を始めた。


「ねえ、私達がゴーレムを倒せたら、報酬の半分を貴方の懐に入れていいわよ。だから、その依頼を受けさせてくれない?」


「はい?」


 青年は顔を前に突きだし、聞き間違えたのかと耳に手を当てた。ネメアも彼女に対して、信じられないものでも見たかのような視線を送った。


「悪い話ではないわよね。むしろ、そちら側に得しかないわ。どう? 乗ってみない?」


「えっ、え、え!? いや、駄目ですよ。それで貴方達が死んだら、俺が責任に問われます。


 冒険者ギルドで、絶対に達成できない依頼を受けさせて、死人をだした職員は辞職させられるんですよ。隣のお兄さんも、何とか言ってください!」


 心底困った顔で係員はネメアに助けを求めたが、彼もどうしたらいいのか分からなかったため、助け舟は出なかった。戸惑う彼らを無視して、彼女はさらに交渉を進める。


「Aランクパーティー向けの魔物を倒した時の報酬は、だいたい金貨十枚と銀貨三十枚。その半分の金なら、貴族御用達の高級娼館で遊べるわね。きっと、可愛い女の子がいっぱいいるわ」


「うぐっ」


 顔を赤らめ、青年はあからさまに目の色が変わった。それから着実に話が進み、契約書まで持ち出して、クレタの取引は成功した。あまりにも下世話な会話が行われたため、ネメアは気分を悪くした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ