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お姉さんのステータスがおかしいです

 冒険者ギルドを後にして、ネメアとクレタは食堂へと向かった。今は丁度お昼時で、人がたくさんいる。二人は適当な席に着くと、この食堂の名物である、肉野菜炒めを頼んだ。それが来るまでの間、二人は詳しい自己紹介を始めた。


 お冷やを一口飲み、まずはクレタが口を開く。


「いきなりこんなことになって、驚いてるわよね。私、前に組んでたパーティーが解散しちゃったから、ギルドで新しく仲間になってくれそうな人を探していたの。そしたら、貴方が追放されていたから、声をかけてみたのよ。


 それじゃ、改めまして自己紹介。私はクレタ・トーラスよ。武術が得意で、前のパーティーではファイターをしていたわ」


「へー、ファイターですか! 俺はネメア・レオです。俺は何か一つの事をするわけじゃなくて、討伐する魔物によって、戦い方を変えてます。だから、剣でも魔法でも、お願いしてくれれば何でもやりますよ」


「あら、何でもできて、魔物ごとに合った戦い方ができるなんて、凄いじゃない!」


 クレタに誉められ、ネメアは嬉しい気持ちになり、頬をほんのりと赤くした。だが、アレスに言われた事を思いだし、すぐに顔を曇らせる。


「そんなことないですよ。俺、ステータスがあんまりにも平凡で、それでパーティーを追い出されちゃってますから。これを見てください」


 ズボンのボタンがとめられたポケットを開き、ネメアはそこから一枚のカードを出した。これは「ステータスカード」と呼ばれるもので、持ち主の能力について書かれている。


 ネメアはステータカードをクレタの見る向きに回して、テーブルの上に置いた。


『ネメア・レオ』


攻撃力 50/100


防御力 48/100


素早さ 51/100


武器を扱う技術 50/100


魔力 45/100


身体能力 52/100


「へー、悪くないじゃない」


 ネメアのステータスを見たクレタは、ただ一言感想を告げ、彼にステータスカードを返した。彼女の態度に、彼は目を丸くする。


「えぇっ!? 悪くないって、どういう事ですか?」


「全てのステータスが普通って事は、努力次第で全ステータスマックスにできるってことじゃない。そしたら、ネメアちゃんを追放した奴ら、見返してやりましょうよ。私が訓練してあげるわ」


 そう言って、クレタはキラリと目を輝かせた。しかしネメアは、全ステータスマックスなんて、流石に無理だろうと首を横にふった。


「俺なんかにはできませんよ。それに、全ステータスマックスなんて、前例がないじゃないですか」


「あらやだ、前例ならここにあるわよ」


 今度はクレタが、ドレスの胸元からスッとステータスカードを取り出した。


『クレタ・トーラス』


攻撃力 100/100


防御力 100/100


素早さ 100/100


武器を扱う技術 100/100


魔力 100/100


身体能力 200/100


「何ですかこれ!!?? しかも、身体能力は100分の200!!??」


 ネメアは思わず席から立ち上がり、叫び声を上げた。そんな彼に、クレタは口許に指を一本当てて、静かにするよう促す。


「シーッ! ネメアちゃん声が大きいわよ。他のお客さんの迷惑になっちゃうわ」


「そうですけども! ってか、ネメアちゃんって呼び方……」


「可愛いでしょ?」


「は、はぁ。まあ、呼び方の事は置いといて、クレタさんのステータス、本当にこれなんですか?」


 席に座り直し、ネメアはクレタのステータスカードを凝視した。


「ええ、そうよ。貴方もこうなりたいでしょ?」


「なれるものなら」


「そうと決まれば、ギルドへ行って薬草採取の依頼でも受けましょ」


「はい?」


 ネメアは小首を傾げた。どういう事だろう? 薬草採取は、冒険者に成り立ての者達が集まってできた、Dランクパーティーがやるような依頼だ。そんな依頼なんかしたって、ステータスは上げられないような気がする。クレタさんは、からかっているだけなのだろうか?


 


 食事を終えた後。二人は冒険者ギルドの受付で薬草採取の依頼を受け、町外れの森の中へと入っていった。


 

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