1/23
序
異世界転生ってロマンですよね。あーーーーー俺も転生したいなーーーー。
僕、アルト・モントリエには、親友がいた。
僕は大した能力のない人間だ。世界から与えられる「スキル」と呼ばれる固有技能、それも特別強いわけではないのだ。
少しだけ物覚えが良く、少しだけ珍しいスキル。どんなに良く言っても凡夫である僕に対して、彼は違った。
彼はかなりの変わり者で、正義感が強く、愚かなほどに真っ直ぐで、お人好しだった。
「困っている人は助けるのが当たり前」などと、世迷い言もここまでくると清々しい。でも、それが実現できるくらいに強かった。そこが少しだけ憎たらしくて、憧れだった。
後に英雄と呼ばれる親友が、僕には居た。
友達欲しい