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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校二年生
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バスケと君とそれから

 

「あ、千堂さん出てるよ」

「本当だ!ミヤコー!がんばれー!!」

 バスケのゴールの下にミヤコが立っている。


「あ、ハルカー!見ててねー!」

 試合中にも関わらず、私に向かって手を振るミヤコ。

 ボールがミヤコに回る。

「えいっ」

 ミヤコはボールを両手で持って投げる。

 ミヤコの放ったボールはゴールのフレームに当たってしまって跳ね返ってきた。

「惜しい!」

「俺に任せてっ!」

 ミヤコの横から横田くんが飛び出しリバウンドをゴールに押し戻した。


「やっぱスポーツ科なだけあって横田も運動神経いいんだね」

「ね!すごいね」


「ミヤコさーん!褒めて!!」

「ハルカー!点取ったよー!」

「フル無視ありがとうございますっ!!」

 ミヤコに駆け寄っていく横田くんを華麗に避けてミヤコは私に向かってまた手を振るのだった。


「相変わらずの2人なんだね・・・」

「ね、横田くんって、なんかすごい・・・。うまく言えないけど」


 残念ながらミヤコたちE組はここで敗退。

 負けてしまったけど、意外にE組のみんなは悔しがってはいなかった。

「はぁー!終わった終わった」

「ミヤコ、お疲れさま。惜しかったね」

 ドカッと私たちの横に座るミヤコ。

「いやぁいつ腕とか指とか足とか怪我するかヒヤヒヤだったよ。終わってよかったー」

 ミヤコは腕のストレッチを始めた。

 なるほど、確かに球技大会で怪我して自分の大会に出場できませんでした、なんて本末転倒もいいところだ。

「だから割と勝負っていうか、遊び感覚で楽しんでいる生徒も多いと思うよ。スポーツ科はね。でも自分の得意な種目とかなら別かも。ここって中学の時結構いい成績納めててもスポーツ科のテストに落ちて、普通科に進学する子もいるでしょ?」

「ゆうもバスケでは結構すごかったみたいだよ。大会とかも出てたって」

「でしょ?だからいつもと違うメンバーで強い選手もいるチームとやり合うのは楽しいって思うみたい。まぁバドミントンは多くて2人だからあんまり思わないけどね。スマッシュとかバンバン決めてくのが好きだもん、私」

「ミヤコのスマッシュに絶対反応できないと思う。私」

「あ、なんか遠くから来てる」

 急に馨くんがそう言って、私とミヤコは揃って馨くんの見ている方向を見た。


「高垣じゃん」

 ものすごい勢いで新太くんが駆け寄ってくる。

「試合終わったの?」

「もう!みんなが応援に来てくれないから負けちゃったじゃん!」

「そこは己の力で勝てよ」

「ぐっ!現役のバドミントン選手に言われるとなんも言い返せない」

 みんなで並んで座る。

 ゆうがコートに入り、軽くアップを始めている。

 この試合に勝ったら準決勝かぁ。シードのD組との試合だ。


「D組結構バスケの奴多いよ。中西ファイトだ」

 なんかみんなでっかい、気がする。ゆうも結構背が高い方だけど、D組のみなさんはこう、でっかいって感じだ。

 しばらくアップが続き、ついにゆうの試合が始まった。


 ゆうのバスケを初めて見れるのだ。

 私とずっと会ってなかった時にゆうが一生懸命やってたバスケを。

 はい、と新太くんがみんなに飴を配る。もらったレモン味の飴を頬張りながら、私はワクワクしてたまらなかった。



 ***



「中西っ!」

 ゆうにパスされたボールは遠い位置からゴールに吸い込まれていった。


「スリーポイントシュートだなんて、ゆうってすごいじゃん。ハルカちゃん・・・?」

「だ、だね!!」

 すごい!かっこいい!という周りの声や、馨くんの声まで聞こえなくなるほど、私はゆうに夢中になっていた。


「すごいぞー!ゆうーー!!」

「本当にね、バスケ部のスタメン相手にやるじゃん」

 すごいんだろうな、とは思っていたけど現役のバスケ選手を差し置いて目立ちまくっているゆうに改めて感心してしまった。

 バスケをしているゆうを見て、どうしてゆうはバスケを続けなかったんだろうと思ってしまう。


 次々とゆうにボールが集まってくる。

 D組のでっかい人たちがゆうを取り囲む。


「囲まれちゃったよ!」

 私がそう言い終わる前にゆうは仲間にパスをして切り抜けた。

 A組も結構ゴールを決めているはずなのに、中々点差が開かないのはやっぱりD組が強いからだね。

 ゴールを決めれば取り返す、の繰り返しだった。


 楽しそうにしていたゆうだったけど、なんだかちょっと気になる表情をしだした。

「ん・・・?なんか中西変じゃない?」

 ミヤコもすぐに気がついて私に言う。


「だよね?なんか・・・痛がってる感じ、する・・・よね?」

 最初はちょっと苦しそうな表情をしていたけど、徐々に膝に手がいくようになった。

「怪我するような場面あったかな?」

「なかった気がするけどちょっと離れてるから見えなかっただけかな」

「あ、おい」

 関くんがタイムをとり、ゆうの方へ走っていく。

 何か話したあと、ゆうはコートを出ていった。

「え!ゆうどっか行っちゃうけど?」

「どうしたんだろう」

 私は心配になって席を立った。右足を引きずっている。やっぱり怪我したんだ。

「ごめん、ちょっと行ってくる!」

 急いで体育館の出口に進むゆうを追いかけたのだった。



 ***



「俺だってゆうの所行きたかった!」

「千堂さんがすごい見てくるから僕もって言えなかったんだけど」

「ここはハルカに行かせてやってよ。弱っている男子と慰めに行く女子・・・青春じゃん」

「毎回思うけどさ、本当千堂は誰の味方なわけ?」

「え?私はハルカの味方に決まってんじゃん。・・・まぁ、中西のことが心配なのは私も一緒だよ。大したことないといいんだけど」



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