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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校二年生
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確かにマラソン大会よりはいい

 

「ねぇねぇミヤコって将来の夢何?やっぱりバトミントンでオリンピック?」

「そうねぇ、それは目標って感じかな」

「かっこいい・・・!」

「将来的には子供達にバドミントンを教えるコーチ的な感じになりたいな」

「ミヤコがコーチ」

 あっ、ダメダメ。横田くんに素振り100回とか足蹴りをかましているミヤコを思い出しちゃ。

 子供にはきっと優しいよ。流石にミヤコも。

「名物鬼コーチって感じで雑誌に取材受けて、それ見てまた生徒が増えて・・・えへへ、見えた見えた。将来が」

「ミヤコ・・・」

 えへへと笑いつつもミヤコの目はバッキバキだったから本気でそう思っているんだろう。


 将来の夢、夢、夢・・・。この数日タイミングを見つけては周りの人に聞いてみている。

 田中さんは実家のお店を継ぐらしい。

 新太くんはスポーツメーカーで働きたいって。

 馨くんは動物関係の職業に就きたいって。五右衛門くんの影響かな。


 みんなどうやって将来の夢って見つけてるんだろう。

「ハルカは?」

 ふとミヤコに聞かれ、まさかこんなに聞いておいて自分のは教えないなんていう道はなくて。

「実は・・・まだ分かんないんだよね。なんかみんな夢があるんだな、と思ったら将来のことを何にも考えてないから焦っちゃって」

「好きなこととかは?」

「なんかこれといってないんだよね」

 来年はもう受験だし、ある程度何になりたいのか考えておかないとどの大学、学部に行くのかとか決められないもんね。

 なんか本当に私って何にも考えてないんだなぁ。


「ハルカはなんで急にそんな焦ってんの」

「なんかみんな自分よりも先に進んでいるんだなぁと思ったら自分は、って思っちゃって」

「焦んなくていいじゃん。いっそ誰かのお嫁さんとかになっちゃえば?」

「私だって社会の歯車になって経済を動かしたい!!」

「すごい意気込み。いいじゃん。まずは自分の得意な科目とか、興味がありそうな学科のある大学目指せば。大学生の間に自然に決まっていくんじゃない?私だって夢は夢だし、どうなるか分かんないもんだよ」

 そうだよね。焦ったって決まりっこないもんね。

「とりあえず今は流れに身を任せようと思う」

「うんうん。もうすぐ夏休みだしね、じっくり考えればいいよ。ハルカの進路が思い付いたら教えてね」

「うん!絶対にミヤコに言う」


 あっという間に夏休みが近づいてきていることに驚きつつも、ベトナム旅行が控えていると思うとワクワクする。

「とりあえず期末テスト乗り越えよう」

「うげ」

 持っていたペットボトルで顔を隠すミヤコをみて、私は笑ってしまうのだった。


 ***


「7月15日に2年生だけの球技大会があります。今日は種目決めしたら解散」

「げ、この暑いのにそんなのやんのか」

「僕、体育館で溶けちゃうかも」

 馨くんは机に突っ伏した。

 外は雨がしとしとと降っている。梅雨が終わればもう夏だ。

 冬にマラソン大会をする学校もあるけど、この学校はマラソン大会はない。

 その代わり、なのかどうかも分からないけど2年生で球技大会があるのだ。絶対スポーツ科が有利なんだけどね。


 先生が黒板に種目と人数を書いていく。

 サッカー、バレーボール、ドッチボール、バスケ。

 うーん。どれも大してできないし、恐ろしいことに男女混合だから(本当にどうして球技大会なんてするのかわからない。)ドッチボールかな。避けるのならなんとかできそうだし。

「経験者はなるべくその競技でお願いします」

 私は前に出てドッチボールに名前を書いた。馨くんもドッチボールにしたようだ。

 希望者が多すぎたら調整になる。バスケとかになったらどうしよう。

 男女混合のバスケなんて怖すぎる。って、そういえば。

「ゆうはバスケだよね?書いてきたら?」

「いや、俺もドッチボールにする」

「えー!やってたんだからバスケにしなよ!すごい大会まで出ていたんでしょ?」

「いや、俺は」

「バスケしてるゆうを生で観れるチャンスなんだよね?やりなよ!」

 毎年の年賀状によくゆうのバスケのことが書いてあったことを思い出し、ゆうにバスケを勧める。

 しょうがねぇな、観せてやるよなんて言ってバスケを選ぶと思っていたけど、私の予想を外れてゆうはなかなかバスケを選ぼうとはしなかった。


「え、中西バスケやってたの?どこ中?」

 私とゆうの会話が聞こえていたんだろう。クラスメイトの関くんがゆうに話しかける。

「・・・大河中」

「え!すげぇじゃん!な、頼む!一緒にバスケしようぜ!!丁度1人足りないし」

 あれよあれよと関くんに押されてバスケの欄にゆうの名前が並んだ。


「ハルカが騒ぐから・・・」

「実力があるんだからいいじゃん!ゆうのバスケ応援しに行くね。楽しみ!」

 どこか浮かない表情のゆうのことが気になりつつも、どうせやるなら楽しく!と思ってゆうに安い応援の言葉をかけ続けてしまったことを当日になって私は後悔することになるのだった。



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