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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校二年生
89/113

これにて

 

「そんじゃ、ちょっと行ってくるからハルカは待っててくれる?」

「いいよ」

 ゆうは放課後になると梢ちゃんの所へ向かった。

 話ってなんだろう。結構かかるのかな。飲み物でも買って飲んで待ってようかな。


「ハルカちゃん、僕と一緒に宿題でもする?」

「そうだね、やっちゃおう」

 馨くんが私の隣の席に移動しプリントを広げた。問題数が少ないからすぐに終わりそうだ。

「あー!よかったまだいた!」

「新太くん」

 久しぶりに新太くんの姿を見た気がするけど変わらずに元気そうだ。

「どうしたの?」

「ハルカちゃんとそろそろ一緒に帰りたくて」

 一緒にまたアイスでも食べようよ、なんて言いながら新太くんは教室に入ってきた。

「だめだよ」

「なんで馨が返事するんだよ」

「今日は僕とここで宿題するから」

「俺もやる、いい?ハルカちゃん?」

「うん、いいよ」

「僕、新太には教えないからね」

「馨ったらひどーい」

「あはは」

 なんだかんだ言いながら結局新太くんや私に難しいところを教えてくれる馨くんは優しいと思う。


「おっしゃー終わった!」

「馨くんのおかげで早く終われたよ、ありがとう!」

「よかった」

「私喉乾いたからジュース買ってくる!馨くん今日のお礼に奢るよ」

「俺も買いに行く!」

「ハルカちゃん、いいよ。ジュースは新太が奢ってくれるから気持ちだけ貰っておくね」

「俺ですよねぇ・・・。よし行こ、ハルカちゃん」


「あ、ゆうじゃん、おいっ!?」

「だめ!!」

 遠くにゆうがいることに気がつき、大きな声でゆうを呼ぼうとした新太くんの口を、私は大慌てで押さえた。

「ご、ごめん。実は・・・」

「えーっ!そんな面白いことになってたの?ハルカちゃん、自販機の位置近いしちょっと覗いていこうよ」

「だめだって、バレたら怖いよ」

「大丈夫大丈夫、バレそうになったらすぐに戻ろう」

「えー・・・」

 私はココアを、新太くんはカフェオレを買って自販機前のベンチに座った。

「見える?」

「見えるけど、何話してるのかは分かんないかな。って、や、やばいこっちくるよ!」

「ええ!どうしよう!」



 ***



 俺だってそこまで鈍くない。

 梢の雰囲気で何を言わんとしようとしているのかは感づいたが、答えは決まっている。

 俺としては早く終わらせて、ハルカの所に戻りたい。

 呼び出しておいて中々口を開かない梢に少しイライラしてきた。


「それで、話って何?」

「気づいていると思うんですけど、私、その・・・好きなんです。ゆう先輩のことが。だから最近全然一緒に入れないのが悲しいんです」

 梢はそう言うと、顔を赤くしたまま俯いた。

 俺はハルカ以外に興味はないが、やっぱり後輩、それにあの日怖い思いをした梢のことを蔑ろにすることはできなかった。

 結局それがどっちつかずに見えてハルカを知らず知らずの内にモヤモヤさせていた。

 俺と梢に対しモヤモヤするってことは、ハルカは少しは俺のことをいいと思ってくれているんだろうか。

 あれは、ヤキモチに見えたけど、それは調子に乗った解釈かな。


「ごめん。梢はただの後輩としか思ってない」

 俺がそう言うと梢は俯いていた顔を上げて俺のことをまっすぐに見た。


「・・・ゆう先輩は今付き合っている人いるんですか?」

「いないけど」

「じゃあ好きな人がいるんですか?」

「それは・・・」

「良いじゃないですか、いないんだったら付き合っても」

「俺は好きでもない人と付き合うほど軽くない」

「付き合ってから私のこと好きになったって良いじゃないですか。私、好きになってもらう自信あります」

「好きな人、いるから無理」

「待てます。私、待てますよ。ゆう先輩の気持ちに白黒つくまで。ゆう先輩に彼女ができたら諦めます」

 帰り道が怖い、また襲われたらどうしようと震えていた梢じゃないみたいだ。

 強引で、こっちが本性か?女って本当わかんねぇ。


「いくら待たれても、俺は梢と付き合うことは絶対にないから」

「絶対なんてないじゃないですか」

「これに関してはある。絶対にない。俺が好きなのは1人だけだから」

「誰なんですか」

「なんで梢に言わなきゃいけないの?もう行ってもいい?正直迷惑」

「ひ、ひどい・・・」

「勝手にがっかりしてくれ。あ、そういえば友達できたみたいでよかったじゃん。じゃあな」


 梢は唇を噛み締めたまま俺を睨んだ。目には涙が溜まっているけど見ないふりをして教室の方へ向かった。

 すぐ近くの自販機の端から制服が覗く。誰かいたのか。

 そのまま横を通り過ぎたが、視界の端に知っている顔が写り振り向いた。


「お、お疲れ様です・・・」

「俺たちは丁度ジュースでも飲もうかな、と思いまして・・・決して覗こうとは・・・」

 ハルカと新太が小さく縮こまり身を寄せ合っていた。この2人は距離が近いんだよ。馨もだけど。

 ハルカが無防備すぎるからこうなるんだ。

「近すぎ」

「あ、ごめんなさい」

 新太とハルカの間に手を入れ引き離した。


「梢のことは振ったよ」

 俺はハルカにそう言った。

「あ、そうなんだ」

 ハルカはなんでそんなことを私に言うんだろうとも言いたげな表情をしていた。

 俺は好きだから、ハルカのことが好きだから梢のことを振ったんだよ。なんて今言う勇気は俺にはないけど。


「可愛い子だったのにどうして振ったの?」

 ハルカの横でニヤニヤしている新太の頭に一発チョップをお見舞いした。お前、俺がハルカのこと好きだって知ってるだろ。

「新太、わざと言ってんの?」

「ごめんなさい」

 そのまま俺たちは教室に戻ったけど、新太は馨にもチョップされてた。

 ジュースを買いに行ったのに、馨の分を忘れたらしい。盗み見なんてしてるからだな。


ブックマーク増えているのに気がつきました!嬉しいです!アイス食べます!!Cani.

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