ミヤコさん苦手なタイプですね、ごめんなさい
馨くんとゆうと一緒に食堂に移動するとミヤコと会った。
「お、今日ハルカ達も食堂なの?一緒に食べよう」
「うん!」
ミヤコと一緒に列に並ぶ。
何にしようかな。ラーメンも美味しそう、カレーもいいな。B定食の酢豚も美味しそう。
「ハルカ何にする?」
「うーん。今日はB定食にする」
「私も一緒。酢豚食べたい」
熱々の酢豚の乗ったトレーを受け取り席を探す。
先にゆうと馨くんが座ってるかな?
「あ」
「あいつかぁ」
ゆうと馨くんはすぐに見つかったけど、その横には梢ちゃんがいた。
「2人で違うところで食べよっか」
せっかくミヤコとランチが一緒なのだ。早く熱々の酢豚を食べたい。
「あー、ハルカダメだわ。川上が必死に私たちに来いって訴えてる。意外に川上って女苦手だよね」
「そうかな?」
「まぁ人見知り的な部分もあると思うけど。しょうがない。ハルカ、行こう」
チラリと馨くんを見るとラーメンに手もつけず真っ直ぐに私たちを見ていた。な、なるほど必死な感じがわかった。
「あ、ハルカ先輩!」
「お、お待たせ」
「遅い」
「ごめんごめん」
「千堂さん気づいてくれてありがとう」
「見たことないくらい必死な視線だったよ」
私とミヤコは机に酢豚の乗ったトレーを置いて席に座った。
「梢ちゃんご飯は?」
「あ、私向こうで友達と食べてたんですけど、ゆう先輩見つけたから来ちゃいました!」
「そうなんだ」
ご飯は?っていう質問の答えになってる?
「ハルカ先輩も来たし、私もここでご飯食べてもいいですか?ちょっと取ってきます」
「友達と食べてるならそっちで食べろよ」
ゆうがそう言うと梢ちゃんはぷくっと頬を膨らました。か、かわいい。というか友達と一緒に食べなくていいの?
「ゆう先輩と食べたいに決まってるじゃないですか!もう、言わせないでくださいよー!」
あ、いいんですね。友達よりゆうなんですね。
なんでそんなにゆうが良いんだか・・・。
「って言うかあんた誰?」
「え、私?」
ギョッとして隣を見る。硬い声で話しているのはもちろんミヤコだ。馨くんを密かに見るとチャーシューを咥えたまま上目遣いでミヤコを凝視していた。だよね、ちょっとびっくりしたよね。
「さっきからさぁ、うちらは4人で食べてんのにどうしてそこに混ざろうとするわけ?一緒にいる私と川上の許可もないのに?」
「み、ミヤコさん?」
や、やばい。ミヤコの目がつり上がってる。確かにミヤコと馨くん空気みたいだったもんね。
「あ、そうですよね、ごめんなさい。一緒に食べても良いですか?」
「この雰囲気で良い訳なくない?って言うか友達待たせてるなら早く戻ってあげなさいよ」
「み、ミヤコさん?」
「はぁ、本当ありえない」
「ゆ、ゆう先輩」
「俺らは俺らで食べるから」
「・・・わかりました。失礼します」
梢ちゃんは私の方をチラッと見たけど、何も言えなかった。そのまましょんぼりとした様子で席を離れ友達の方へ向かう梢ちゃんを見て、私は罪悪感で胸が痛んだ。
一緒に食べても良いよって言ってあげればよかったかな。
「ダメだよ。ハルカ、同情しちゃ」
「え?」
「同席している人にも了承を得る、普通だからそんなの。中西に夢中なのは別に良いけど私たちの時間の邪魔はしないでほしい」
ぱくぱくと酢豚を口に運ぶミヤコ。
このミヤコの筋の通った所は本当に見習いたい。ダメなものはダメと言える勇気がすごい。私なんてブレブレだ。
「って言うか中西がガツンと言わないからこうなってんだけど?」
「僕ずっと空気みたいだったよ」
「ハルカ、これは俺に矛先が変わった感じ?」
「しーらない」
私はやっと酢豚を口に運んだ。ちょっと冷めちゃったけど美味しい。
ケータイが震えメールの受信を知らせる。
げ、梢ちゃんだ。何だろう。
『さっきはすみませんでした。あの、今日の放課後にゆう先輩にどうしても話したいことがあるって伝えてくれませんか?これ以上はご迷惑お掛けしないので』
ゆうに話したいこと・・・?なんでさっき自分で言わなかったんだろう。
しょんぼりと帰っていった梢ちゃんの姿を思い出し、伝言だけならとゆうに伝えたらミヤコにそうやって甘やかすから舐められるんだよと叱られた。
でもこれ以上迷惑かけないって言ってくれてるし。迷惑の自覚はあったんだ、ということはひとまず置いておくことにして、私は残った時間で急いで昼ごはんを食べたのだった。




