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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校二年生
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暑い日のダウン、JKの靴下

 

 横田くんはミヤコにめちゃくちゃ怒られていたけど、彼の口の端が上がっているのを見てしまった。

 ミヤコもそれに気がついたようで、信じられないと言い放ってそこからは無視を決め込んだ。でも横田くんってミヤコに無視されるのも結構好きなんだよね・・・。


「本当、糠に釘っていうか、全然響かないよねあいつ。やっぱり部活の時にどうにかしてやんないとね・・・」

 昼休み、ミヤコは横田くんに怒り疲れたのかぐったりしているようだったが、目はちょっとぎらついていた。ちょっとっていうかかなりって言うか。とにかく横田くんは今すぐに反省している感じにしたほうがいい、絶対いい。


「ま、でもハルカちゃんに何にもなくてよかったよな」

 新太くんが明るく言う。

「でも今後も気をつけたほうがいいって先生も言ってたし、当分は1人にならないようにね」

「俺が一緒だから大丈夫だよ、な?ハルカ」

 かき揚げそばを食べていた私は口いっぱいに頬張りすぎて咄嗟に返事ができなかった。

「ハルカちゃん、ほっぺた触っていい?」

「ダメに決まってんだろ」

 新太くんの手をゆうが払う。その好きにミヤコは優しく私の頬を指でつついた。

「すっごい!このほっぺにどんだけおそば詰まってんの?」

 なんだかどんどん恥ずかしくなってきて、そばを飲み込んだ私は次の一口は慎重に量を調整して食べたのだった。


 ***


「ハルカ、帰ろ」

 ゆうは本当に毎日一緒に帰ってくれる。途中まで馨くんや新太くんも一緒の時もある。

 ゆうは私が部屋に入るまで一緒にいる。ちょっと過保護すぎる気もするけど、正直ありがたい。


 この日も同じように部屋まで送ってくれた。

 ご飯の前に宿題でもやるかと思って机に向かうが、肝心の宿題を学校に忘れてしまった。

 時計を見る、今戻ればまだ運動部もいる時間で学校も開いている。

 なんだかアイスも食べたいし、取りに行くかと家を出た。


 学校へ着く頃にはあたりは暗くなっていたが、無事宿題を取りに行けた私はコンビニに寄ってアイスを買った。

 家に帰って宿題が終わったらご褒美に食べよう。そうだ、お風呂上がりに食べたらきっともっと美味しいだろうなと呑気に歩いていた。

 月がとっても明るくて、月にアイスをかざした写真を撮って『お月見アイス楽しみだー』なんてメールをゆうに送った。

 寮が見えてきて、ほっとする。


 ふと、自分を追いかけるように足音がすることに気がついた。なんだか追いかけられている気がする。

 その足音は走っているような速さだった。また横田くんかと思い後ろを振り向いた。


「せ、先輩助けて!追いかけられてる!!」

 同じ制服を着た女子が私の方へと走ってきている。その女子の後ろにはだいぶ暖かくなってきているのにダウンコートを着たおじさんが迫ってきていた。

 うまく言えないけど、やばい状況だと言うことはよく分かった。でも、こう言う時ってどうしたらいいの!?

 足がすくんで動けなかったがなんとか口だけは開いた。

 その間にもおじさんとその子は私に近づいてくる。

 私の後ろに急いで回るその子。ちょ、私も怖いから!!


「け、けーさつに通報します!!」

 私は手に持っていたケータイをおじさんに向けた。おじさんは警察という単語にも特に反応することはなくニヤニヤしていた。

「靴下頂戴。女子高生の靴下」

 おじさんはそう言いながらこっちに近づいてくる。

 靴下くらいならやるか、と一瞬頭によぎったがあげた靴下が何に使われるかと思ったら一瞬でも愚かなことを考えた自分に幻滅した。

 ゆっくりと近づいてくるおじさんを避けるため、私たちも後ろへ後ろへと下がっていく。

 このまま寮に走って逃げようかとも思ったが、家の場所がバレるのは良くないってテレビで言っていた。靴下泥棒とかされそうだ。

 私の後ろに隠れた子は震えていた。周りには自分以外誰もいない。

 私は少し前から自分も震えていることに気がついていた。そう、私だって怖いよ。こんな意味のわからないおじさん。

 どうやら私が先輩のようだし、私がなんとかしないと。

 手をぎゅっと握り震えを止める。そして叫んでやろうと大きく息を吸い込むのだった。



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