そしてまた、春
新学期、変わったことが2つほどある。
「な、なんでーーー!?」
1つはクラス替え。
スポーツ科はクラスは持ち上がり式。
普通科は成績でクラス替えがあるのだ。
クラス発表の掲示板の前で叫んでいるのは新太くん。
そう、新太くんとはクラスが変わってしまったのだ。
「残念だけど、新太なら友達すぐ作れるよ」
「ち!が!う!馨そこじゃない!俺はみんなと同じクラスが良かったのー!」
新太くんは馨くんの肩を掴み前後に揺する。
「ちょっと、やめてよ。僕のせいじゃないんだから」
「くっそー!」
新太くんはB組、私とゆうと馨くんはA組なのだ。
「勉強頑張ってて良かっただろ?」
今きたのだろう、ゆうは余裕そうな表情で私に話しかける。
「新太くんとクラス離れちゃったの、残念だな」
「ハルカちゃん・・・っ!」
「修学旅行とか楽しみだな」
「ゆうのバカっ!現実を突きつけないでー!!選択授業は一緒のにしようね?お願いします!!」
新太くんは涙ぐみながらB組に入っていった。
「ゆうはクラス替えが成績で決まるって知ってたの?」
「当たり前でしょ」
「さ、さすが」
「また同じクラスだね。それに名前の順も前後だし。俺たち相性いいね」
そしてもう1つはゆうの雰囲気がグッと変わったことだ。
なんて言ったらいいんだろう。
なんか変なのだ。
「ハルカ、今日の髪型かわいいね。似合ってる」
「あ、ありがとう」
前は絶対そんなこと言わなかったのに、最近やけに褒めてくる。ちょっと怖い・・・。
「あはは、ハルカちゃんちょっと引いてるじゃん」
「馨うるせー」
私以外の人間には通常運転なのがまた不思議だ。
私はどう言う反応をしたら正解なのかまだ探し中である。
「あ、中川さん!今年もよろしく!」
「あ!田中さん!良かった〜!よろしく」
また同じクラスメイトもちらほらいるが、よく話していた田中さんが同じクラスで少しほっとした。
「里中さんはC組らしいよ。今年は平和そうで良かったよ」
「そうなんだ・・・」
結衣ちゃんはC組か。
選択授業以外、合同のイベント以外はもう会うことはないんだろうな。
もう結衣ちゃんのことを考えなくていいんだと思うと、少し気が楽なのは事実だった。
***
「2年A組担任の関口だ。じゃ、早速だけど体育館に移動。始業式だ」
1年生の教室の前を通る。入学式を終えた1年生達が楽しそうに話している。
去年の入学式は本当にびっくりしたなぁ。
「ん?どうした?」
ちらっとゆうを見ると、ゆうも私を見ていて目があってしまった。
「なんでもないよ」
「んー?なんでもないの?」
ゆうは私の顔を覗きこむ。
「な、なんか最近ゆうって変」
「え、変って?」
「変は変。なんか変」
「変の一言で終わっちゃうのか俺って・・・。ま、でも今までとは違うのは分かってるんだ?」
「どうしちゃったの?」
私がそう聞くとゆうはまたニヤッと笑って私の頭を優しく撫でた。
「1年生で分かったんだ。ハルカには大胆に行かないと分かってもらえないって」
「大胆って?」
「ハルカちゃんは鈍すぎだから、ストレートに行くってこと」
そういうとゆうは私の頬を人差し指でツンツンした。え、何これ、何してんのこの人。
体育館に着くまで私はゆうに話しかけることができなかった。
「ハルカちゃーん!」
B組から新太くんが手をブンブン振って声をかけてくる。
「おい新太ー!うるせーぞ」
「邪魔しないで!!俺の!この時間を!」
さすが新太くん、もうクラスに馴染んでいるみたいだ。
「なんか名前の順でハルカちゃんが隣にいるの新鮮だなぁ」
偶然、B組の新太くんとA組の私は名前の順で並ぶと隣だった。
そして私の右隣はゆうだった。
「クラスは違うけどな」
「言わないで!あーもっと全校集会たくさんやって来んないかなぁ」
全校集会が好きだなんて、新太くんも変わってるなぁ。
あっという間に始業式も終わり教室に戻ってきた。
「はい、じゃあ今日は委員会決めたら終わりな」
委員会かぁ、去年やって慣れたから今年も図書委員にしようかなぁ。
順番に委員会が決定していく。
「次、図書委員会」
「はい」
バッと手が上がる。
「女子は中川さんでー、男子は川上くんと中西くんかぁ。2人で決めて、決まったら教えてください。その間に美化委員決めるか」
「馨は去年やっただろ。譲れ」
「慣れている人の方がいいでしょ」
「ハルカ、決めて」
「え?私!?」
「僕とゆうどっちと委員会やりたいかハルカちゃんが決めて」
私をじっと見てくる馨くんとゆう。
えーどっちとやりたいって・・・。
最近ゆうちょっと変だもんな。
「仕事に慣れてるから馨くんかな?」
「なっ!」
「あはは、やったー。僕の勝ち」
馨くんは黒板に自分の名前を書きにいった。
「ゆう、ごめんね」
「謝るな。惨めになる」
「え、ごめんごめん」
ゆうは呆れたように私を見ていた。え、なになに?




