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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校一年生
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高垣くんis良いやつ

 

 入学してから数日経ち、未だに友達と自信を持って言えるのは高垣くんとゆうくらい。

 さすがに挨拶くらいは他のクラスメイトとするけど、たわいもない(例えば次の授業が面倒くさいとか、体育だるいとかそういった類の)会話をするほどでもない。


 ただ変化もあった。


「ゆう、おはよう」

「はよ、ハルカ」


 ゆうがちゃんと朝の挨拶をしてくれるようになったのだ。進歩進歩。

 高垣くんとは席が遠いためあまり交流はないが、授業中たまに目が合ったりする。

 私はどうしたらよいのかよくわからないけど、高垣くんはいつも目が合うとにっこりしてくれるから、つられて私もにへら、と笑ってしまうのだ。


「ハルカ、食堂」

「あ、うん」


 あとは決まって昼食はゆうと2人で食べるようになった。

 いつもデザートはゆうに取られているけど。


「あ、お財布忘れた」

「バカだな。何食べるんだよ」

「取ってくるからいいよ」

「今日はおごるから明日おごれよ。取りにいくと時間なくなる」

 あきれたようにゆうは言うけど、まだ昼休みはたっぷりあるんですけど・・・。

「時間あるから取りに行ってくる!先食べてて!」

「あ!おい!・・・ったく。2人でいる時間がなくなるだろうが」


 ***


 カバンから速やかに財布を出して、食堂に戻ろうとする。

「中川さん!食堂??」

 高垣くんに呼び止められる。

「うん!これから行くところ!」

「俺も食堂!一緒にいこうよ」

 高垣くんと一緒に食堂に向かう。早く出来そうなうどんにしてみた。何より安い。280円でわかめ入り。デザートはついてない。

「先にゆうが食べてるんだ」

 高垣くんとゆうが待っているテーブルへ急ぐ。


「なんで高垣が??」

「食堂だっていうから一緒に来たんだ」

「ふーん」

 ゆうがなんだか不機嫌そう。

 私の席はゆうの財布が置いてあった。場所取りしてくれていたみたい。財布っていうところが若干平和ボケしているけど、いい所もあるじゃん。

 運よく私の隣の席が空いていて、高垣くんも一緒に座ることができた。



 ***



 いつもゆうと2人では特に会話もないんだけど、高垣くんはきちんと話をしてくれる。

「選択授業決めた?」

 選択授業が1コマだけあるのだ。クラスが完全にミックスになるからまた少し緊張している。

「まだ美術か歴史か迷ってるところ」

「おお~いいね。俺もまだ迷い中。決まったら教えてよ」

「うん!高垣くんも教えてね」

「おう!中川さんうどんだけ?お昼」

「うん。おいしいよ」

「甘いのすき?」

「うん。すきだよ」

「じゃあこれやるよ。俺甘いの苦手だから」

 そういって高垣くんは定食についてきたデザートのフルーツポンチをなんと私にくれたのだ。

 優しい。宇宙一優しい男だよ!高垣くん。

「高垣くん、ありがとう!!大切に食べるね!!」


 ゆうは高垣くんが来てから一言もしゃべらなかった。

 フルーツポンチがおいしすぎて気にならなかったけどね。



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