なんとかは風邪ひかないっていうけどね
冬休みも終わり、学校で久々にみんなと顔を合わせた。
「今日は高垣はインフルエンザで休みだそうだー。みんな、体調管理気をつけろよ」
いつも元気いっぱい、の新太くんが休みだなんて、驚きだ。
「この間は元気だったのにね」
「朝、僕に今日はたすむってメール来てたんだけど、やすむの打ち間違いみたいだね」
「馨くんになんとかメールしてたんだね」
「バカでも風邪ひくんだな」
新太くんがいないとなんだか教室が静かだった。
「私今日プリント届けに行こうかな」
「やめとけ、インフルエンザ移るぞ」
「私今までかかったことないから大丈夫だと思う!」
「どんな自信・・・」
結局放課後私だけでなく馨くんとゆうも新太くんの家に向かった。
ミヤコからは新太くんの家までの地図とジュースを預かった。
「ここかな?」
「表札、高垣だ合ってそう」
インターホンを押すと新太くんのお母さんが出てきた。
「あらっ!みんなわざわざありがとうね。新太、新太ーー!!みんながプリント届けに来てくれたよ!」
「あ、寝ていたら悪いので・・・!」
「いいのよ、寝たっきりだと弱っちゃうんだから。新太ーー!!」
「なんだよ」
トントンと階段を降りる音がする。おでこに冷えピタを貼った新太くんと目が合う。
「は、ハルカちゃん!?」
「俺らもいるっつーの」
「プリント届けにきたよ、お大事に」
「み、みんなぁ!ありがとーー!」
「あんなに大きな声出せるならもう大丈夫そうね。みんな今日はありがとう。これお菓子持っていきな」
新太くんのお母さんはクッキーを持たせてくれた。
高垣家を後にした瞬間、新太くんから感謝の言葉溢れるメールがみんなに届くのだった。
「流石にちょっと弱ってたね」
「珍しいもん見れたな」
「でも顔見れてよかった」
プリントも渡せてよかった。
インフルエンザだから当分は休みだろう。
新太くんが困らないようにノートもしっかりとっておこう。
***
身体が丈夫なのが唯一の取り柄だったのに・・・。
私は熱い身体を抱きしめて病院から出てきた。
そう、熱が出たのだ。
インフルエンザかも、と思い病院にいくがインフルエンザではなかった。
新太くんから移しちゃっていたら申し訳ないといった内容のメールがわんさか届いていて、新太くんのせいでないことをなんとか返信した。
馨くんやミヤコからはお見舞いに行きたいとメールがきたが断った。
移すかもしれないしね。
なんとか寮に帰ってきた私はすぐにベッドに横たわり目を閉じた。
次に目を開けるともう17時をすぎていて、もうすっかり外は暗くなっていた。
よく眠ったのがよかったのか身体は大分楽になっていた。
目が覚めたらドアの前見てみろ、とゆうからのメールに従い、ゆっくりと部屋のドアを開けた。
「わぁ」
ビニール袋にたくさんジュースやゼリー、プリンが入っていた。
食欲はまだないからありがたい。
袋の中にはメッセージカードも入っていた。
「何か欲しいものがあったら連絡してね、だって馨くん優しい」
プリンやゼリーはミヤコからのようだ。ひとつひとつにお大事になどメッセージが書かれていた。
私は馨くんとミヤコにお礼のメールを送り、ゆうにも無事受け取れたこと、持ってきてくれて嬉しかったことをメールした。
早速ジュースを開けて飲んでいると、インターホンが鳴った。
風邪のためドア越しに返事をする。
「どなたですか・・・?」
「ハルカ、俺」
「ゆう?」
私は少しだけドアを開けて外を見る。
「開けて」
「移るよ」
「いいから、熱いから早く」
言われるままドアを開けるとゆうが部屋に入ってきた。
手にはどんぶりを持っている。
「ほら、これ食べて薬飲んで寝ろ」
うどんだった。作りたてのようで熱々だ。
「わざわざ作ってくれたの?」
「俺もうどん食べたかったから。1人で大丈夫か?」
「うん。本当にありがとう」
「ついでにこれも貼ってやるよ」
ゆうは私のおでこに冷えピタを貼る。
「もう熱は大丈夫なのに」
「ぶり返すかもしれないだろ。ちゃんと寝ろよ。調子悪ければすぐ連絡しろよ」
ゆうが帰った後、1人でゆうの作ってくれたうどんを食べる。卵も入れてくれていて、とってもおいしかった。
大事をとって次の日も休んだけど、もう体調はすっかり良くなったのだった。




