友人関係は平和な方がいいに決まってる
「高垣!メールの内容何あれ。川上も、どうしたの?」
「あそこです・・・」
放課後、俺はハラハラしながらゆうとハルカちゃんを見守っていた。
1人だと心細くて馨にも声をかけた。何が何だかわからないはずだけど、ゆうとハルカちゃんのいつもと違う雰囲気に何かを感じたのか、馨は何も言わずに俺と一緒に教室の向こうの廊下にいた。
「あれ?ハルカと中西じゃん。なんであんたたち中に入らないの?」
「若干修羅場と言いますか、ハルカちゃんが怒ってて、だから千堂にもメールしたんだけど・・・」
「ハルカちゃんが怒るなんて珍しいよね」
「なんで怒ってるの?」
「まぁそれは俺から説明するのは難しいんです」
「はぁ?」
「2人とも静かに、聞こえないじゃん」
千堂も合流し俺たちは2人の会話を静かに聞いていた。
決して盗み聞きしようなんて思ってない。ただハルカちゃんがめちゃくちゃ怒っていたから心配になっただけだ。
「ハルカの恋路を邪魔するなんて、中西何やってんのよ」
「ハルカちゃん、まだ先輩のこと好きなのにね」
「え、そうなの!?」
「しっ!今まさにそのこと言ってるじゃん!」
「え、ちょっと待って、何この流れ。ゆうもモジモジしてない!?え、これ何の流れ?」
「ハルカちゃん、鈍いから」
「えーこんな時に言われても私ならときめかないなぁ」
「そういう問題じゃないでしょ!」
ハルカちゃんに怒られていたはずなのに急に告白するみたいな流れになってしまい、俺は慌てて教室に飛び込んだ。
流石に100%フラれると分かっているのに思いを伝えるとなるとしんどい。
そして何なら間接的に俺もフラれたような気持ちになるからやめて欲しい。
「お前ら、聞いてたのか?」
「しょうがないじゃん!ハルカちゃんめっちゃ怒ってるの知ってたんだから!俺も一緒に結衣との会話聞いてたんだから!もーほんとやめて、ゆうのばか!」
ハルカちゃんもゆうも急に俺たちが教室に入ってきたもんだから驚いていた。
「みんな来てくれてたんだ」
「ハルカー!高垣がハルカが大変って言ってきたからホームルーム終わってすぐにきたよ。里中と中西のせいで大変だったね。友達だと思ってたのにねー!私はハルカの恋、応援するよ!」
「ミヤコ〜」
「俺のせいって・・・」
ハルカちゃんは千堂の言葉に感動しているようで千堂に抱きついていた。
千堂、うらやましいです。
「今ね、何で私が先輩と両思いになるのが嫌なのってゆうに聞いてたところなの」
ゴクリと生唾を飲んだのは俺だけでは無さそうだ。
ど、どうしようなんて返すべきなんだ!これではまたゆうの告白、フラれるルートに突入するんじゃないだろうか!そんなの見てられない!
「ゆうにはもうばかなことしないように僕と新太とで言っとくからさ、ほらもうすぐクリスマスパーティーだし仲直りしよう!ほら、ハルカちゃんに謝って?ね?ゆう」
馨は素早くゆうの隣に行くとその頭を掴んで無理やり下げさせた。
それとなく話題をずらし、なおかつ仲直りルートに持っていくなんて、さすが馨だ!
「ほら、ごめんねでしょ?言えるかな?」
「ごめん」
「ごめん?」
「・・・ごめんなさい」
ゆ、ゆうが謝った!!あのプライドの高いゆうが!
そして馨の微笑みがすごい怖い・・・。冷たい笑顔がまじでホラー。
俺は恐る恐るハルカちゃんをみる。
「もういいよ、なんか怒りすぎて何に怒ってたのか分かんなくなっちゃった。でも、今日は一緒に帰んないからね」
「なんでだよ」
「当たり前じゃん!今日はもうゆうの顔見たくないんだから」
「謝っただろ!もういいって言ってくれたし!」
ゆうは一瞬捨てられた子犬のような(俺見たことないけど)表情になってすぐにハルカちゃんに言い返した。
おい一緒に帰れないくらいいいだろ!さっきまで怒られてたんだぞ!
「ささ!2人は先に帰っちゃって!俺と馨でゆうのことボコボコにしとくから!ね!ほら行った行った!」
「ハルカ!今日はパフェ食べに行こう!」
千堂は俺の気持ちが分かったのか、上手くハルカちゃんと一緒に先に帰ってくれた。
「ったく。なんでお前ら来るんだよ」
教室に残った俺と馨にゆうは面倒くさそうに言った。
「だーー!ゆうおっまえなんだその態度!あのまま告白する気だったのかよ」
「あーあ、告白してボコボコにフラれればよかったのに」
「別に告白ってわけじゃねぇけど」
「ていうかなんでスパイみたいなことやってたの」
馨がストレートに聞く。
「そんなつもりねぇよ。っていうかハルカが他の男と付き合うなんて俺は考えたくない。それだけだし」
「だからって、わざわざ結衣に言うことないだろう。ハルカちゃん結衣に嫌がらせされてたんだぞ?」
「そうだよ、先輩のこと好き好きって言って絡んでるのもハルカちゃんへの当てつけかもよ」
「何だよ、じゃあお前らはいいのかよ。ハルカがあいつと付き合っても」
ゆうがそう言うと俺は何も言えなくなってしまったが、馨は違った。
「僕の努力が足りなかったってことでしょ。ハルカちゃんが先輩じゃなくて僕に夢中になるように頑張るだけだから、その時は男の嫉妬心で邪魔しないでよね。全く、全然反省してないじゃん。ハルカちゃんに今度こそは嫌われるよ」
スパッと馨が言うと、ゆうはハッとしたようだった。
「それは困る・・・」
「でしょ。だからもうこんなばかなことはしないでよね」
「はいっ!」
「なんで新太が返事すんの?」
「あっ」
一生懸命馨の話を聞いていたら、俺が返事をしてしまい2人に笑われてしまうのだった。
笑ってる2人に釣られて俺も笑ってしまった。平和だ。
俺はクリスマスに向けて平和を守れたのだ!
なんと総PV5000超えました!嬉しいです!今後も見守っていてください。Cani.




