恋愛ショック
顔を真っ赤にしながら先輩のことを好きだと言うハルカに俺は何も言い返せなかった。
急になんで、何があった。
「なんか、恥ずかしー。ゆうにこんなこと言ったってしょうがないのにね」
顔をパタパタと手で仰ぐハルカ。
それは恋する乙女って感じで。
「なんだよ、それ」
「え?」
「ハルカみたいなガキ、無理だろ」
「ゆうひどい!思うだけなら自由じゃん」
思うだけなら、か・・・。
俺はハルカのことが好きだ。
ずっと好きだ。
10年前からずっと。
会えない時期もあったけど毎年ハルカの家から届く年賀状の写真、どんどん可愛くなっていくハルカを見て、いつか会いたいとずっと思ってた。
会って、話をして、また一緒に過ごせるって。
結局、あの先輩かよ。
文化祭か?体育祭か?急に出てきただけなのに。
「なんであいつなの?」
「分かんない。でもずっとドキドキしてるんだ。あ、そろそろご飯食べないと、休みの時間なくなる!戻ろう!」
俺はハルカのことを抱きしめたことだってある。
俺はずっとハルカにドキドキしているのに、やっぱりハルカには何も伝わっていないんだな。
家族みたいなもんか、俺なんて。
***
「と言うことで、私はやっぱり先輩のことが好きみたいです」
「きゃー!ハルカー!!」
ミヤコは興奮したように私を抱きしめた。
「で!?いつ告白するの?」
「え!告白しないよ」
「え!なんで」
「なんでって、先輩受験生だし、あんまり負担になりたくないなって・・・。それに、恋人いるかもじゃん!」
「やーん!ハルカ優しい〜!でも言っちゃいなよ!いけるいける!」
「いけるって・・・」
ガタッと大きな音がして振り向くと、新太くんと馨くんとゆうがいた。
「あれ、みんな・・・」
「あちゃー・・・あんたたち聞こえた?」
ミヤコは頭を抱えていた。
「聞こえたよ。その話詳しく聞きたいんだけど」
「せせせ先輩って、まさか・・・」
物音は新太くんがカバンを落とした音だった。
「あいつなんてやめときゃいーのに」
ゆうはそう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。
「で!!ハルカちゃんあの先輩のこと好きなの!?なんで!!俺は!!!」
「俺はって、あんた・・・」
「付き合いたいとかじゃなくて!私が勝手にいいなぁって思っているだけだから!」
「ハルカちゃん、それが大問題なんだよ」
「やっぱり、ゆうの言うとおり私じゃ無理だよね」
「いや!ハルカちゃんはめっちゃかわいいし、いけると思うけど、俺は、いやなんて言ったらいいんだ!あー!!」
「うるさ・・・」
「もー!ハルカ帰ろう帰ろう」
私はミヤコと一緒に帰路についた。
振り向くと、新太くんは頭を抱えてしゃがんでいた。
私はひとり、新太くんに言われたことを考えていた。
「あのさ、ミヤコ・・・」
「うん?」
「変なこと言うんだけど、新太くんってひょっとして私のこと好きなの?」
「はぁっ!?」
ミヤコは大きい瞳をさらに大きくして私の肩を掴んだ。
「ハルカ、それマジで言ってる?」
「え、やっぱり勘違いだよね?恥ずかし・・・」
「いやいやいやいや!いやっていうか、いつか直接高垣に聞いてあげな。そういうのは!」
ミヤコの勢いに押されつつ、寮に帰ったのだった。
***
「ずびっ・・・ハルカちゃん・・・ハルカちゃん・・・」
「何泣いてんの?僕はハルカちゃんが誰を好きでも関係ないけどね」
「なんで馨ってそんな大人なの・・・?」
「悔しいよ。でももっと積極的にならないといけないんだ、って思えたから」
「大人・・・!」




