女子高生たるもの恋バナが好き
障害物競走、ミヤコのお題はスポーツ科の男子だった。
ゴール付近でミヤコの応援をしていた横田くんを引きずりだし、ぶっちぎりでゴールしていた。さすがミヤコ、判断が早い。
2年生の障害物競走も無事終わり、次は3年生の障害物競走となった。
石井先輩はどうやら障害物競争に出るらしい。
「あれ、あの先輩だよね?」
「うん、石井先輩。先輩がんばれー!って手振ってる」
先輩は私に気が付いているのかよくわからなかったけど、にこりと笑って手を振っていた。
『ヨーイ、ドン!』
3年生となると体も大きい。スポーツ科の選手は体が壁みたいに大きいのに足が早かった。
石井先輩も順調に障害物をこなしていき、カードを引いた。
一瞬目を見開いた先輩だったが、すぐに走った。
「え、こっち来てね?」
「来てる、気がする」
先輩はぐんぐんと私たちに近づいてきているように見える。
「中川ちゃーん!一緒に来て!」
「え、は、はい!!!」
近くまで来ると私のことを大きな声で呼び、みんなの間を縫って急いで先輩の元に向かう。
「ハルカがお題ってなんだ?」
「うーん、後輩とかじゃない?」
「あ!手繋いだ!」
「あのやろ〜!」
先輩はハイ!と私の手を握り走った。
なんと一番最初にゴールできたのだ!
「やったー!1番だー!スポーツ科に勝った!ありがとう中川ちゃん」
「お役に立てて良かったです」
『さー、お題カードを見せてください!ほほ〜!お題は、かわいい人でした!確かに小動物系の可愛さがありますね〜』
「えっ!かわいい!?」
「中川ちゃんはかわいいよ。ほんと」
ニコッと笑ったあと、石井先輩は私の頭にポンと手を置いたのだ。
先輩の笑顔が眩しすぎて、頭に置いてある手は優しすぎた。
ドキドキとする心臓についていけず、私は頭がクラクラしてきた。
「おい!ハルカ!何顔赤くしてんだよ!!」
「わー!中西ペットボトル握るなよ!中身溢れてる!」
「また面倒くさい男が現れたなぁ」
***
「ちょっとちょっとちょっとハルカ!なにあの先輩!どういうこと!?」
「ミヤコ・・・」
昼休みになるや否やミヤコが私を連れ出した。
私は後夜祭であったこと、石井先輩に助けてもらったことなどを伝えた。
「ごめんね、私自分が大変でハルカのこと考えてなかった。っていうか里中結衣シメる」
「いやいや、油断してた私のせいだし、もう次は絶対信じないから大丈夫」
「それで?石井先輩のことハルカはどう思ってるの?」
「もー!ミヤコってすぐそういう話にしたがる」
ニヤニヤしながらミヤコは私の背中を叩く。
「何いってんの!こんな面白いこと我慢できるわけないじゃん!結構あの先輩とお似合いだと思うけど?同級生と違ってやっぱり大人っぽいよね3年生って」
「そりゃ優しいし、いい先輩って感じだけど・・・」
「さっきかわいいって言われて顔真っ赤になってたよ!満更でもないんじゃなーい?」
「も、もうやめてよ・・・!」
ミヤコは照れている私を見ていたが何かに気が付いたように私の肩を叩く。
「ほらハルカ!石井先輩だよ!こんなところでキョロキョロしてハルカの事探してるんじゃない?」
「えっ?」
振り向くと石井先輩は1年生の中を誰かを探しているみたいだった。
「あ!こっちみた!!」
私たちに気がつくと、笑顔で寄ってきた。
「中川ちゃん!さっきはありがとう!」
「きゃーほらハルカー!」
「ちょ、ミヤコ!」
「これ、良かったら昼食べな、お菓子。その子にもあげな」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとうございますー!先輩ーちょっと聞いていいですかー?」
「ん?なに??」
「あのー、先輩ってハルカのことどう思ってるんですかー?」
「え!ミヤコ」
先輩は一瞬質問に驚いたようだけど、すぐ笑顔になった。
「そりゃ、かわいいって思ってるよ。ほっとけないし、守ってあげたいって感じかな・・・って、中川ちゃんの友達めっちゃ笑ってるけど」
先輩をからかうなんて肝座ってんじゃん、と石井先輩は笑いながら去っていった。
***
「もー!ミヤコ変なこと聞かないでよー!!」
「いやいやハルカ、よく考えて、ゴリゴリに脈ありでしょあれ!」
ミヤコは私の肩を掴み、興奮気味に話す。
「イケメンで大人な余裕もあって気さくだし、あんなストレートに愛情表現してくれる人なんて絶対逃しちゃダメだよ!いいよ同級生のチンチクリンたちより先輩の方がいいよ!!推す!!」
「だーれーがーチンチクリンだとー?」
「やば、じゃあハルカ!午後も頑張ろうね!」
私の後ろからゆうの声がする。ミヤコはさっさと逃げていったのだった。




