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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校一年生
36/113

横田くんの作戦勝ち

 

「あー楽しかった」

「なんか、ハルカちゃん疲れてない?」

「あはは、まぁちょっと色々とありまして・・・」


 お化け屋敷の後でミヤコとタピオカを飲んで休んでいたところに、3人で回っていたゆうたちと鉢合わせた。


「あんたたちは何やってたの?」

「俺たちは、迷路とヨーヨー釣りとか適当に行った」

 かき氷を食べながら新太くんが答えた。

「ゆうも楽しめた?」

「あんなに簡単な迷路だったのにこいつら方向音痴すぎて全然ゴールできなかった」

「あのさ、方向音痴なの中西くんだから」

「俺は方向音痴じゃない。ゴールしたらジュースもらった」

 ゆうはもらったジュースを見せてくれた。ちょっと自慢気なのが気になるけど、楽しめたみたいでよかった。



 ***



 無事1日目が終了し、みんなで帰った。

 同じ寮にいる私とゆうは最後は2人きりになった。

「今日は楽しかったね」

「まぁな。でもハルカとまわりたかった」

「またそんな事言って。馨くんと新太くんと楽しそうだったよ」

「あいつらピーナッツピーナッツってうるさい」

「あはは」

 ゆうがいじられるなんてなんだかレアかもしれないな。


「ハルカ、明日」

「うん?」

「後夜祭は一緒にいたいんだけど。ハルカと」

 後夜祭はキャンプファイヤーとダンスパーティー、文化祭での順位発表がある。


「別にいいよ?」

「本当か!?」

 特に予定があるわけでもないし、どうせいつものメンバーで固まるのにどうしてわざわざそんな事を聞くんだろう、なんて思ったけど、めずらしく嬉しそうな表情をしているゆうに言うのはやめた。


「じゃあまた明日ね」

「じゃあな」


 家に帰り、シャワーを浴びた。

 お化け屋敷を思い出して、髪の毛を洗うときに目を閉じれなかった。



 ***



『これからステージ発表を始めます』

 文化祭2日目が始まった。

 吹奏楽部・軽音楽部・演劇部など部活動のステージが終わり、一番の大目玉であるミスコンが始まる。

 クラス対抗じゃないから、本当に出たい人が出るって感じだ。

「みなさぁん!ぜひ結衣に投票してくださいねー!」

 もちろん結衣ちゃんは出ていたけど。


『1年生エントリーナンバー3番!1年E組千堂ミヤコさん!』

「えっ!」

 なんとミヤコがミスコンに出場していた。

 教えてくれたっていいのに、と思ったけど無表情なミヤコを見て私は分かった。彼女がとても怒っている、いや、キレていることを。

 ミヤコは美人だと思う。クールビューティーな感じ。

 だけどおそらく、いや絶対自分ではミスコンにエントリーなどしないだろう。

『一言どうぞ』

「特にないです」

「ミヤコさーーーん!!!綺麗だーーー!!!」

 横田くんの声援が体育館に響き渡る。


 ミスコンに出場するには2つ方法がある。立候補か推薦だ。

 こ、これは横田くんが推薦したな・・・。

 ミヤコはツカツカと退場していったが、そんな態度も彼女のクールビューティーさを際立たせるだけであった。


 ピロン

「あ、メール」

『横田埋めていいかな』

 ミヤコからだった。



 ***



 投票が終了し結果発表となったがその結果に驚いてしまった。

『1年生部門第1位は・・・エントリーナンバー3番千堂ミヤコさんです!!』

「うおお!!ミヤコさん最高!!」

「ミヤコさーん!」

 横田くんは置いておいて、女子の黄色い声援も体育館を埋める。

 ミヤコは多くの女子の票を集め、1年生では1位、総合4位という素晴らしい結果になったのだった。


『感想をお願いします』

「ドウモアリガトウゴザイマス」


 こうしてミスコンは幕を閉じたのだった。


「あー疲れた・・・」

「ミヤコすごいじゃん」

「ミスコンなんて興味ないもん。横田だけじゃなくて、クラスのみんながぐるになってたんだよ!?もう信用できないね」

 クラスメイトに呼ばれていったらミスコン参加者の控え室だったらしい。

 横田くんは自分が呼んでもミヤコは来ないから、他のクラスメイトも巻き込むという作戦に出ていた。

「私は誇らしかったよ!」

「千堂って一般的には美人なんだな」

「ハルカ、ありがとう。高垣はしゃべるな」

「こわ・・・」

「じゃあハルカ、また後でね」


 後夜祭まで時間があると言うことで、模擬店の片付けをしていた。

「そういえば、ハルカちゃんは後夜祭のダンスパーティー誰と出るの?」

「うーん特に予定は」

 ゆうが段ボールを持って話に割り込んできた。

「あるだろ。俺と一緒にいるって」

「な、中西と?」

「あ、後夜祭一緒にってダンスパーティーのことだったんだ」

「お前なぁ」

「中西だけずるい!俺もハルカちゃんと過ごしたい」

「だめ。早い者勝ち」

「みんなでの方が楽しいんじゃない?」

「なんでだよ」

 新太くんはゆうに段ボールの片付けを押し付けられ、渋々ゴミ捨て場に行っていた。



 ざわざわとうるさかった教室が急に静かになった。

 何かと思って前を向くと、結衣ちゃんが泣きながら教室に帰ってきたのだ。


「ゆ、結衣ちゃん大丈夫?」

 クラスメイトの男子が言った。

「結衣、ミスコンで優勝できなかった・・・。みんなごめんね」

「結衣ちゃん可愛かったって!頑張った頑張った」

 男子は泣いている結衣ちゃんに優しく声をかけていた。

 結衣ちゃんは一体何に謝ってるのかわからなくて私は頭にハテナが浮かんでいた。

 優勝するとクラスに何かプラスになることなんだっけ?


「別に謝られることでもねーけど」

 ゆうの一言に結衣ちゃんは顔をあげ微笑んだ。

「ゆう、優しい。ありがとう」

「はぁ」

 ゆうはそのまま教室を出てどこかに行ってしまった。

「あれって別に誰も興味ないよってことだと思うんだけど、なんでそうとれるんだろうね」

 馨くんがボソッと呟いた。


「戻ったぞー!って何この空気、って結衣は何泣いてんの?」

 新太くんがゴミ捨てから戻ってきた。

「新太ぁ。結衣ミスコン優勝できなくてごめんなさい〜」

 結衣ちゃんはパタパタと新太くんに寄ってきて抱きついた。


「えっ!?ちょっと結衣離れて」

「新太慰めてよー!」

「高垣慰めてやれよー!」

 新太くんはあたふたしながら私の方を見てきた。


「ほっといて向こうの片付け手伝おう」

 新太くんからの視線を感じつつも、馨くんと一緒に田中さんと衣装の片付けをしたのだった。



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