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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校一年生
35/113

急に暗いところに行くと何も見えなくなるよね

 

「さーて、じゃあハルカ!回りましょうか」

「お待たせしました。どこからいく?」


 無事自分のシフトを終え、ミヤコと模擬店をまわり始めた。

 ゆうは新太くんと馨くんに連れられて3人でまわるみたい。なんだかんだやっぱり仲がいいみたい。



「あ、あったあった!ここだよ」

「えー!お、お化け屋敷・・・」


 到着したのは3年B組のお化け屋敷。


「ミヤコ、お化け屋敷得意なの?」

「得意っていうか好き。すっごい楽しみにしてたんだぁ」

「へ、へぇ」

「お願い!絶対離れないから一緒に行こう!ね?」

 好きってことはミヤコはお化け屋敷怖くないってことだよね。

 平気な人と一緒だと大丈夫って聞くし。


 こうして私とミヤコは3年B組のお化け屋敷『サガシモノ』へと入って行ったのです。




 ***




「きゃー!こっわー!」

 ミヤコはこわいというものの、顔は笑顔だ。

 私はというと、怖すぎて言葉も出ないほどだ。

 暗すぎて何も見えない。ミヤコ頼みで進んでいる。


「それでは、ここからは二手に別れて進んでもらいます。お互い、サガシモノを見つけて、この先で合流をしてください」


 二手に分かれるとは・・・?

 私たち2人で挑戦だから・・・?


「無理無理無理無理、絶対無理」

「面白そうじゃん!ハルカ、頑張ろう」

 ミヤコはそんなことを言い始めた。

「ええ!絶対離れないって言ったじゃん!」

「ごめんごめん、でも一本道だから大丈夫だよ!じゃあ先の所で待ってるね」

「ミヤコーーー!!」

 ミヤコはさっさと右の道へ行ってしまった。なんならちょっとスキップしていた。




「どうしよう」

 私はなんとか左の道に入る。私のサガシモノは帽子だ。

 目を凝らしてなんとか見る。

 あ、床に何か黒っぽいのが落ちてる。

 なんか帽子っぽい気もする。ラッキー!


 私はそれを拾うとすぐに帽子でないことが分かった。

「ひぇっ!!!!!」

 かつらだった。

 絶対陽の光の当たる場所で見ればなんともないのに、こんな暗い、しかもお化け屋敷で拾うかつらの持つ恐怖の力に私は情けないことに腰を抜かして座り込んでしまった。


 怖すぎる。

 かつらを持ったまま動けず、持ったかつらを手放すこともできず、私は固まっていた。


「私の髪の毛を返せーぶっ!!!」

「ぎゃーーー!!!!」

 急に前から坊主頭のお化けが出てきた。髪の毛を返せという決め台詞を聞くよりも先に私は持っていたかつらをお化けに向かって投げた。あ、この人先輩か。でもしょうがない。

 いい、かつらなんていらない。持って早く帰ってくれ。こっちは腰が抜けて動けないよ。


「あ、あの、大丈夫?立てる?」

 叫んだきり動かない私を見て、お化けはゆっくりと近づいてきた。

「こんな格好しているけど、人間だから、大丈夫だよ」

「人間は、分かってます・・・」

 私が動かないから心配するなんて、お化け役としては減点なんじゃないの?

 近づいてきた人は私の前でしゃがみ、おずおずと頭に手を伸ばした。


「怖いのに1人になっちゃったんだね。一緒に行こうか」

「あ・・・」

 お化け役の人は私の頭をぽんぽんと撫でたあと、腕を引っ張って立たせてくれた。

 が、少々力が強かった。


 勢いよく立ち上がった私の目の前にお化け役の先輩の顔があった。

 ち、近い・・・!

 血糊だろうか?お化けの役の先輩のおでこからは血が流れているようなペイントがされていた。

 近くで見ると、優しそうな表情で血糊はあまり怖くなかった。


「あ、あの・・・」

「ご、ごめん」

 あまりの近さにお化けの先輩も驚いたようだった。

「あ、あとは合流までそんな怖くないから。見ててあげるから、行ってみな」

 とぎこちなく道の奥を指さした。


「あ、ありがとうございます」

 ここまで言われちゃ行かなきゃいけない、なんて謎の使命感にかられゆっくり進んでいった。

 後ろを振り向くと本当にお化けの先輩はこっちを見守っており、ガッツポーズまでしてくれた。


「ハルカー?遅いよー!」

 ミヤコの声が近くで聞こえる。

 よかった。やっと合流だ!


 私は少し嬉しくなって、上を見上げた。

「っぎゃーーーー!!!!!!」

 天井には赤ちゃんの人形がぶら下げられており、びっくりしてまた叫んでしまった。



「ごめーん、ちょっとまだあった」

 と遠くからお化けの先輩が言っているのが聞こえた。

 遅いわー!!



 その後ミヤコにくっついていたおかげでなんとか脱出することができた。

 私は変な汗をたくさんかいたせいで前髪がおでこに張り付いていたのをミヤコは指差して笑っていた。




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