文化祭が始まるよ
『それでは文化祭を開催します』
1日目は模擬展祭、2日目はミスコンなどの発表会や後夜祭だ。
「ハルカ、千堂のクラス行くの?」
「うん、ストラックアウトなんだって!ゆうも行く?」
「行く」
無事文化祭が始まった。
ミヤコは開始早々店番なんだと嘆いていたけど、昼過ぎの私の店番が終わったら一緒に文化祭を回る約束をした。
「ハルカ!こっちこっち!」
ミヤコはボールを5つ渡してくれた。
「ボールで的を当てて、ビンゴみたいに縦横斜めどれか穴が揃ったら、見事お菓子の詰め合わせプレゼント!」
「よーし!」
私は気合を入れてボールを投げた。
「ハルカ、絶対無理だと思ったのに」
「ハルカすごーい!」
「えへへ」
ゆうはもちろん、なんと見事私も縦の列を揃えることができ、ミヤコがお菓子の詰め合わせ(とジュースもおまけで)をくれた。
「じゃあ次は私がハルカの方行くから!またあとでね!」
「うん!」
ミヤコと別れたあとは、馨くんとも合流して選択授業の展示を見に行った。
私たちの歴史の課題も張り出されている。
「ゆうは美術だったよね?」
「まぁ」
「ハルカちゃんも美術が良かったんだよね」
「うん、でも歴史楽しかったよ。ミヤコと仲良くできたし」
美術を選んだ生徒は作品を一つ飾っている。
「中西ゆう、中西ゆう・・・あった!って!!」
「中西くんって割となんでもできると思ってたけど・・・」
ゆうの絵はなんというかかなり独創的だった。
「ゆうタコ描いたの?」
「はぁ?飼育小屋のうさぎだし」
「これがうさぎ・・・?」
「なんだよ」
「いや、なんか独特だね・・・」
「絵なんか対して興味もねぇのにやったんだよ」
「なんで美術選んだのさ」
馨くんが代わりに聞いてくれた。
「そんなんハルカが選ぶって言ってたからに決まってるだろ。なのにハルカが外れたから俺だけになっちゃったんだ」
「私と一緒が良かったの?ゆうって結構人見知りなんだね」
「あはは」
「川上笑うな」
***
「ハルカちゃん、かわいすぎる」
「新太くんはやっぱりライオン似合うね!1グループ目おつかれさま」
「ありがとう。ライオン脱ぐ前に恐竜のハルカちゃんと写真撮りたいんだけど、いい?」
「もちろん」
「やった!」
教室に戻り、新太くんたち1グループの人と交代した。
私とゆうと馨くんは同じグループだ。
「結衣ちゃーん!魔女可愛い!」
「えー!結衣うれしい〜」
結衣ちゃんも一緒。
「な、中西くん・・・!」
「ゆうの着ぐるみって・・・」
「なんだよ、見るな」
ゆうの着ぐるみはピーナッツだった。
「もはや生き物でもないんだ」
「殻付きピーナッツか、なかなか可愛いと思うよ。大丈夫大丈夫」
「なんの大丈夫だよ」
ピーナッツの殻からニョキっと足が2本。ご丁寧に白タイツまで履いている。
馨くんは写真を撮ってゆうに、いやピーナッツに蹴られていた。
「馨くんは猫なんだね、似合う似合う」
馨くんは黒猫だった。
「かわいこぶりっ子か」
「ピーナッツに何言われても大丈夫。ハルカちゃんの恐竜とってもかわいいよ」
馨くんはにこりと笑ってそう言った。
「あ、ありがとう」
「ふん、俺ジュース係で裏にいるからな」
「あはは、ゆう拗ねちゃった」
カエルの田中さんは壁にもたれかかりぐったりしていた。
「里中さん効果なのか忙しすぎる!」
そうなのだ、里中さんの魔女は本当によく似合っていた。そして彼女の狙い通り、里中さんと写真を撮ろうと男子生徒が殺到したのだ。
準備は全然手伝ってくれなかったけど、当日こんなにお客さんを連れてきてくれたからもう忘れてあげよう。
「これ、良かったら飲んで?もらいものだけど」
私はミヤコにオマケでもらったジュースを田中さんにあげた。
「え、いいの?助かったー」
グビグビと美味しそうに田中さんはジュースを飲んだ。
着ぐるみって動き回ると結構暑いもんね。
「さ、私たちの残り1時間がんばろー!」
「おー!」
「ハルカいるー?」
「あ、ミヤコだ」
「友達?行っておいで」
「ありがとう」
私はパタパタと恐竜姿でミヤコのところに向かった。
「ハルカ、かわいすぎる!!」
「全力で同意する」
ミヤコは新太くんと一緒だった。
「いざ回ろうかと思ったら丁度千堂とあって、俺のクラス来るっていうから一緒に戻ってきた」
「お客様、とっとと注文してください」
「お、川上猫似合うじゃん」
「そりゃどうも。僕犬派なんだけどね」
「中西は?」
「これのせいで拗ねてる」
馨くんは撮った写真をみんなに見せた。
「ぶっ!あははは、こりゃ言わないわけだ」
「ピーナッツ着てる中西、陽気すぎる!もうこれ制服でいいじゃん!」
ミヤコと新太くんは爆笑していた。
「聞こえてんだよ!」
ゆうは怒ってたけど、絶対に裏から出てこなかった。




