やっと落ち着けそう
だ、だれか〜!!!!
今私はゆうに抱きしめられている!!!!!
寮に帰るのかと思いきや、ゆうは空き教室へと私を連れ込んだ。
「つ、疲れた!!!」
「体力ねぇな」
「急に走るからだよ!もう・・・」
話終わるよりも先に、私はゆうに抱きしめられたのだ。
大切なことはもう一回言うべきだよね。
私はゆうに抱きしめられている!!!!(3回目)
動揺するとともに、こんなに心配をかけてしまっていたのかと反省した。
「やっとハルカといれる・・・。あーマジあいつキツかったぁ」
「ゆう・・・」
「ていうかなんで川上に頼るかなぁ・・・。なんで俺に言わなかったんだよ。川上から聞いてなかったら、図書室で見張ることなんてできなかったぞ」
「だって、話そうと思ってもずっと結衣ちゃんといるから話せなかったんだもん」
「くそ、ムカつく。女子だから放っておいたけど今度何かハルカにしたらあの女シメる」
「物騒な・・・」
ゆうは私の顔を覗き込んできた。
「随分前からだったって、川上から聞いた。こんのバカが!!なんでずっと我慢してんだよ」
ゆうは腕にぐっと力を込めた。
「バカは俺か。ハルカ、ごめんな。守ってやれなくて」
ゆう・・・そんな風に思ってくれていたの?
今日十分助けてくれたのに。
「私がゆうを避けてたのも悪かったから。ごめんね」
ゆうは思い出したように私の体を離し、ニヤニヤしながら見てきた。
「そうだったな。なんで避けてたんだよ」
「だからいつも結衣ちゃんといるからじゃん」
「別にハルカも一緒にいたっていいじゃん」
「だってなんか・・・」
「なんか?」
「だー!!もういいじゃん!」
「よくないよ、全部教えろよ。ハルカ」
「ゆう・・・」
「あ、テストで勝ったから俺の言うこと一個聞くんだったよな?ほら教えろよ」
「覚えてたんだ」
「当たり前だろ。ほら」
私はあの時のモヤモヤとした感情が一体なんなのか気がついていた。
正直に言うと、ゆうを取られた気がして面白くなかったのだ。
10年ぶりに再会した幼馴染。思っていたのと違うけど(だって女の子だと思ったら違ったから)やっぱりどこか安心感があるのだ。
笑ってしまうくらい小さいころの友情なのに、どこかそこに縋り付いている自分がいるのだ。
ゆうを取られた気がして、なんて子供のような言い分を言いたくはなかったけど、言わないとこの時間が終わらないことも気がついていた。
「ゆうが取られた気がして、面白くなかったのよ。子供みたいにね!これでいい?」
「ふーん。ハルカちゃんは俺が他の子にとられた気がして拗ねてたのか。なーんだ」
「ほらね!からかわれると思ってた!!」
またゆうといつも通り話せるのがうれしいなんてことは、またからかわれるだろうから教えてあげない。
***
「なぁ川上〜やっぱりあの2人付き合ってるのかなぁ。俺も中川さんと話したかったけど、中西が連れて行っちゃうから・・・」
「あ〜高垣くん本当うっとおしいなぁ」
「やさしくしてよ!!」
「もうすぐ夏休みだからもっと中川さんと話せなくなるね」
「現実を突きつけないで!!」




