いつからいたの?って時は大体最初からいたんですよね
あの日から本当に吹っ切れた。
いくら横田くんに睨まれても、睨み返してやった。
人間、味方がいると思うと強くなれるもんだな。
川上くんは本当に一緒に居てくれた。
廊下で横田くんとすれ違う時は自然と私と横田くんの間に入ってくれて、横田くんが何も言えないようにずっと私に話しかけてくれていた。
ある日、図書室で当番をやっていた私は、いつものように返却図書を棚に戻していた。
川上くんは貸し出しの対応をしていた。
川上くんは一度前科のある私(指がつって辞書を自分向かってに落としかけた)をあまり返却図書の担当にさせたくないみたいだけど、今日みたいに中段〜下段への返却の時はやらせてくれるのだ。
無心になれるから案外私はこの作業が好きだ。
私は屈んで作業をしていたが、急に薄暗くなり上を向いた。
「おい」
「・・・」
横田くんがいた。
私は立ち上がり横田くんに向き合った。
棚は端っこだから川上くんは気がついてないだろう。
「今日すれ違う時睨んできたよな」
横田くんは凄んできたけど、私はもう怖くなかった。だって私が1人になるのを待ってたってことだよね?
いざとなったら持ってる本を投げつけて、大声で叫ぼう。
私は深呼吸をして口を開いた。
「あのさ、横田くん。なんでそんなに私に構うわけ?理由を教えてくれない?」
「はぁ?しらばっくれんなよ。結衣ちゃんのこといじめていたくせに」
「それが意味わかんないって言ってんの」
思ったより私が強気だったからか、横田くんは一瞬言い返すことができなかったように感じた。
「結衣ちゃんがお前にいじめられたって泣いてたんだよ。仲間外れにしたり、中西とか高垣に付き纏ってるから助けてあげたいけど中川が怖くてできないって。助けてって俺に泣きついてきたんだよ」
「・・・」
じゃあ横田くんは結衣ちゃんのために私にすれ違うたびにボソボソ意味わかんないこと言ったり、陰湿な手紙靴箱に入れたりしたってこと??
「言い返せないってことはそうなんだろ。逆恨みして結衣ちゃんに当たるんじゃねーぞ」
私は呆れてしまって、カウンターに戻ろうとした。
「おい、話はまだ終わってねぇだろ」
苛立った横田くんに腕を捕まれそのまま強く引かれた。
「痛っ!」
「やめてくれる?」
息を切らした川上くんが横田くんの腕を強く掴んで私の腕から引き剥がし、私を引き寄せた。
腕がじんじんと痛む。
「お前ら図書室では静かにって習わなかったのか」
横田くんの後ろにはゆうが立っていた。
「な、なんだよ、お前ら!関係ねぇだろ」
「関係あるでしょ。結衣ちゃんは俺がハルカに付き纏われてて困ってるって大嘘言って、それを信じたお前がハルカのこといびってたんだろ。俺当事者だよなぁ」
「は、はぁ?」
「きっとまだ俺のこと探してあの女校内うろうろしてるだろうから、これから当事者同士で話し合うってどうですかね。お前は結衣ちゃんの味方してあげれば?」
「なんでそうなるんだよ!」
「何が問題なんだよ。早く行こうぜ。っておい、川上、ハルカに近づきすぎ」
「早く中西くんは仲良くしてる結衣ちゃん探してきてよ。司書の先生ももう来たから僕たちが先に行く。E組でまた会おう」
「ちっ」
ゆうは足早に出て行った。横田くんも出で行った。
「怖かったでしょ。頑張ったね。手、かわいそうに」
川上くんはゆっくりと赤くなった私の手首を撫でてくれた。
「今日で決着つけようね。大丈夫だから」
私は川上くんに連れられてE組に向かった。
あっという間に話が進んで、私だけついていけてないみたいだった。




