人に気持ちを伝えると、自分の中の気持ちも整理されるもんだね
「本当、合わないわ〜ああいうタイプ。鬱陶しいったらないよ」
ミヤコはコーラをグビグビ飲んでいる。ミヤコはゲップをしないタイプか。
私はミヤコに聞きたいことがあったのだ。
「あのさ、ミヤコ。結衣ちゃんと同じグループのあの背の高めで目が鋭い男子って誰か知ってる?」
「E組の横田のことでしょ」
後ろから川上くんがきた。
「あれ、川上くん」
「僕も喉乾いちゃってね。高垣くんには里中さんの相手を頼んできた」
川上くんは自販機でお茶を買った。
「あぁ〜横田ね、同じクラスだしあいつもバドミントンやってるよ。横田がどうかした?」
「あ、ミヤコ同じクラスなんだ。いや、ただ誰かな〜と思って」
同じクラスで同じスポーツをやってるってことはミヤコは今後も横田くんと関わることになるよね。
余計なことは言わないでおこう。
「あいつ、里中結衣のこと好きだからこの選択授業いつも楽しみにしてて、クラスでいっつもあの女のことばっかり話してるよ。でもあの調子だと振り向いてはもらえなさそうだよね。課題係じゃんね」
「なるほどね」
横田くんは結衣ちゃんが好き
結衣ちゃんはゆうや高垣くんと仲良くしている。
この選択授業のグループを決めたときに、横田くんに食堂で結衣ちゃんをいじめるな的なことを言われたことを思い出した。
結衣ちゃんがなりたいグループになれなくて、かわいそうだと思ったのかな。
「ハルカ?大丈夫?なんか悶々としてない?」
ミヤコが心配そうにしている。
「大丈夫大丈夫!ちょっと考え事!さ、そろそろ時間終わるし戻ろうよ」
教室に戻ると、高垣くんは心なしかげっそりしていた。川上くんが青汁あげてた。
***
放課後は川上くんと図書当番をしていた。
「あのさ、中川さん」
「どうしたの?川上くん」
川上くんは私をまっすぐに見つめている。
川上くんに見つめられると、なんだか中身まで透けて見えているんじゃないかと恥ずかしくなってくる。
「千堂さんにも相談してないんだね」
「なんのこと?」
「横田のこと」
「えっ」
「ごめんね、この間靴箱から手紙が出てて、見ちゃったんだ。たまに横田に出くわすと何か言われてたよね?」
川上くんにバレてた。
あの手紙見られてたのか。
自分1人だけならスルーできていたけど、他の人に知られていたって分かった途端、なんだか情けないというか惨めというか暗い感情が自分を覆った。
「結衣ちゃんをいじめるなとか、男好きとか言われたり、多分手紙も横田くんだと思うんだけど、毎日靴箱に入ってて。でも!最近は手紙もないし、横田くんにも何も言われてないから大丈夫だよ!」
「あのくそ横田が」
「川上くん?」
「ううん、大丈夫。なんでもない。もう僕は分かってるから、中川さんが1人で抱えることじゃないからね。大丈夫。移動教室とかご飯とか、僕と一緒に行こう」
「ありがとう、川上くん」
優しい川上くんの言葉にうっかり泣きそうになったけど、横田くんのせいで泣くのは癪なので目に力を入れて耐えた。
川上くんに話したことで、私は自分の傷ついていた気持ちに改めて気がつくことができたし、そしてその気持ちが吹っ切れたことも感じた。
やっぱり横田くんのやってることっておかしいよね!!
***
中川さんはついに僕に何が起きていたのか教えてくれた。
内容が理不尽すぎてうっかり中川さんの前で汚い言葉を使ってしまった。
彼女を守りたいという純粋な気持ちの他に、委員会や選択授業だけじゃなくてその他の時間も彼女と一緒に居ていい正式な理由を手に入れたようなちょっと嬉しい気持ちもあった。
ずるいかな?
PV1000になっていました。
数ある作品から出会っていただきありがとうございます!Cani




