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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校二年生
110/113

後夜祭は君と

 

「ハルカ」

「は、はい」

 ゆうにリンゴジュースを受け取る。


「可愛い」


「う、ありがとう」

 さっきまでなんで言ってくれないの、とまで思っていたけど、いざ言われるとどうしたらいいのか分からない。

「俺に可愛いって言われたかったのも可愛い」

 さっきとは打って変わってのゆうの可愛い攻撃にもう私は爆発しそうなくらいいっぱいいっぱいだ。

「照れてる?」

 ニヤリと意地悪そうな顔をしてゆうが私の顔を覗き込む。1人だけ勝ったみたいな表情に対抗心が芽生える。

「ゆうだって顔真っ赤なくせに」

「うるせー」

「ゆうだって照れてるんでしょう」

「当たり前だろ。誰にだって言うようなもんじゃないし」

「う・・・!」

「う?」

 照れて顔を背けながら話すゆうに不覚にもときめいてしまったのは秘密だ。

 それから私たちは階段に座ったまま楽しそうなみんなを眺めた。ゆうは私の右横に座っている。時折触れる肩のせいで私は自分の体の右側だけ、妙に熱くなった。

「俺さ、いつも楽しいよ。ハルカとか馨とか新太とか、千堂と一緒につるむの」

「私もだよ」

「今のバランスがいいのかなとも思ってた」

「うん?」


『そろそろラストダンスです。最後は花火も上がりますよ!校長先生ありがとうございます!!』


 最後の曲が始まりしばらく経った。突然ゆうが立ち上がった。

「最後くらい踊るか」

「ゆう踊れるの?」

「無理。手だけ繋ぐ」

 ほら、と差し出された手に自分の手を合わせる。ぎゅっと握られゆうの腕の力で私も立ち上がった。


 ドーン、ドーンと花火が上がり始めた。

 ゆうは言った通り踊らなかった。手を繋いだまま、2人で花火を見た。

 ふと、ゆうを見ると静かに私の方を見ている。

 妙に真剣な表情にどうしたら良いのか分からなくなる。

 キャンプファイヤーを囲んで、キャイキャイ騒いでいた生徒たちの声が急に遠く感じた。


「ど、どうし」

 どうしたの、と言ったけど、私の声は花火にかき消されていってしまった。




「俺はハルカが好き」




 はっきり、そう聞こえた。

 ゆうの顔を花火の鮮やかな光が照らす。


 身体に響くこれは花火の打ち上がる音なのか、それとも自分の胸の鼓動か。

 まるで金縛りにあったかのように私は動けなくなってしまった。



『これにて終了です。文化祭実行委員はキャンプファイヤー前に集合してください。それ以外の生徒は速やかに帰宅してください』


 アナウンスが校庭に響く。みんなが拍手をして解散になったけど、私はまだ動けずにいた。

 誰が、誰を好きって?

 ゆうが、私を?

「じゃ、帰るか」

「えっ」

 さっきまで繋いでいた手はいつの間にか離れており、私の顔を見つめていたゆうは振り返って昇降口へ向かって行っている。

 追いかけなきゃ、そう思った。だけどゆうが私を好きだという事実に、戸惑いと少しの高揚感を感じながら私は動けずにいるのだった。



大変大変大変お待たせいたしました!!Cani.

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