理不尽なバトルスタート
「千堂、合流しなくて大丈夫なのか?」
「なに言ってんのよ、今面白いことになっているだろうから、いいのよ」
「面白いことってなんだよ・・・」
「気が付かないの?ハルカ、川上のこと気になってるじゃん!」
「はぁ?なんだよそれ、中川さんが川上のことが好きってこと?」
「好きって自覚まではしてないと思うけど、もうあれは好きだと思うね。最近変だと思わなかったの?」
「中川さんが挙動不審だなとは思ってたけど・・・」
「でしょ、歴史の授業はチャンスなんだから、協力してよね!」
「協力なんてできるわけないだろ!」
「え、それって・・・」
「あーもう!そういうことだよ!むしろこっちに協力しろよ!!」
「えー!なにこの面白い状況!!ハルカーーー!!」
***
「神主さんの話、面白かったね」
「ね、話やすい人で良かった」
私と川上くんは無事神主さんからこの地域の風習や歴史について話しを聞くことができた。
この神社、恋が丘神社は恋愛のパワースポットと言われていて、若い女の人やカップルも多く来ていた。
みんなこの神社のピンクの縁結びのお守りを目的でくるみたい。
私は一人安堵していた。
それは意外にも川上くんと普通に接することができるようになったからだ。
男の子に手を触られたことなんてないからドキドキしただけか。
ときめきをありがとう、川上くん。
「そろそろ千堂さんたちと合流しようか」
「そうだね」
「休憩がてらカフェで待ち合わせにしようか」
「そうだね!ミヤコに連絡しておくね」
そうして近くのカフェに向かい、外から見えやすいように窓際の席に座ったのだ。
ミヤコと高垣くんが来るまで私たちはいろいろな話をした、好きな本のこととか、川上くんはお姉ちゃんが2人と、ペットで犬を飼っているとかね。
「た、たのしそう・・・!」
「ねー!いい雰囲気だよね!高垣!私たちはもう帰ろうか!」
「バカいうな!俺は行くぞ!!」
カフェの外から少しの間ミヤコと高垣くんが私たちのことを見ていたなんて気が付かなかった。
「ハルカ・・・と川上?なんで2人で・・・」
そしてゆうにも見られていたなんて気が付かないまま、のんきにココアを飲んでいたのだ。
***
無事に合流した私たちはお互いの情報を共有して帰路についた。
ミヤコも寮に住んでいたが、棟が違うため途中で別れた。
「デートは楽しかったか?ハルカちゃんよぉ」
寮のロビーにゆうがいた。
「デートって?課題やってただけだけど」
「あの根暗野郎と2人きりで随分楽しそうだったな。カフェでなんの課題だよ。男と茶でもする課題でも出てんの?」
不機嫌そうにゆうはそう言った。
「根暗野郎って、カフェって、川上くんか」
「やっぱりな」
「やっぱりな、ってなによ。別にミヤコと高垣くんを待ってただけだもん。っていうか誰と何をしててもゆうには関係ないじゃん」
「ふーん、関係ない、ね。ゆうちゃんとハルカちゃんはずーっとずーっと仲良しって言ってたのになぁ」
ゆうはニヤニヤしながら立ち上がり、私に近づいてきた。
「な、なによ」
ゆうは何も言わないままじわじわと近づいてくる。
私もじわじわ後ずさるけど、背中に冷たい壁を感じる。もうこれ以上はさがれない。
「こっち来ないでよ、な、なにしゅっ!?」
急にほっぺたを掴まれて変な声が出る。
「ハルカがデートなんて早すぎ。そんなことしてる暇あるなら勉強しろよ、バーカ」
「な!!!勉強なんて今関係ないじゃん」
「関係あるの。誰のおかげで日本に残れてると思ってんの?俺の母さんのためにもいい成績とってよ、ハルカちゃん」
「そ、それは・・・」
ゆうはパッと離れると、にっこり笑って
「じゃあさ、次のテストで点数が高い方の言うことをひとつ聞くってことにしよう。ご褒美があったほうが頑張れるでしょ。じゃあそういうことで〜。デートばっかりしてたら負けちゃうね、ハルカちゃん」
そういってゆうは振り向きもせずとっとと帰っていった。
ってなんで勝手に勝負になってるんだーー!!!




