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10年ぶりに再会した幼馴染について誰かに説明したい  作者: Cani
ハルカ、高校一年生
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大人って本当勝手よね

 

『はるかちゃん!行かないで!!』

『ゆうちゃん!ごめんね!はるかとゆうちゃんはずっとずーっと仲良しだよ!!!!!』

『はるちゃん!はるちゃーん!!!!!』


 ***


 懐かしいな。ゆうちゃんとはこんなちっちゃいころから知り合いなのか。

 ブランコの前で女の子二人がピースをしている写真を眺める。

 一人は私、一人はもうずっと会ってないけど幼馴染の中西ゆうちゃん。


 大人って本当勝手よね。

 勝手な都合(よくある転勤、オヤジの会社のせい)で引っ越し、当時小1の私は幼稚園からずっと一緒だったゆうちゃんと引き離され、知らない土地の知らない小学校で知らない人たちに囲まれ血反吐を吐く思いで友達を作りなんとかここまでやってこれた。

 人見知りな私にとって本当につらかった。勇気をもって「あそぼう」っていっても「今日はマリちゃんと遊ぶからだめ」って言われたことある?結構悲しいよね。一緒に遊んだっていいじゃん。


 ゆうちゃんママと私の母は年賀状でやりとりはしつつ、かなりの遠距離なため再会は果たせずにいる。

 ゆうちゃんママは絵は得意ではないけれど毎年干支の絵と家族の似顔絵を書いて送ってくれる。ゆうちゃんは写真が恥ずかしいらしい。

 ゆうちゃんはバスケに夢中で髪の毛もショートカット。スポーツ少女かぁ、いいよね、私はスポーツ苦手だからうらやましい。


 私、中川ハルカはこの春から高校生になる。今、引っ越しのために荷物をまとめている最中に、公園でとったゆうちゃんと私の写真を眺めていたのだ。

 1年前、中学校3年生の私は両親から突然、「私たち、ベトナムで暮らします」と謎のサプライズを受け、これから青春を謳歌しようと考えた私は日本に残ることにした。

 だって言葉の通じないベトナムで新しく友達作ってたら恋愛する暇もなく女子高生が終わってしまうもん。

 ただ実家は売り払うし、高校生一人を入居させてもらえる物件もなかなかなくて、寮に入れる高校を探して探してやっとみつけたのだ。



 私立 小早川学園



 結構スポーツに力を入れている学校で、全国のいろんなところから有望な学生が集まるから学園が寮をもっている。

 スポーツ科は狭き門だけど、普通科はそうでもなくて私レベルでも無事合格することができた。


 ただ、寮に入るために必要なのが保護者―日本在住の。

 両親とも一人っ子だし、唯一いるおばあちゃんは認知症が進んで施設で暮らしているから代理保護者になりえない。

 まさかここまできてベトナム行きが再浮上するとは、と頭を抱えていたころに、なんとゆうちゃんのママが代理保護者として名乗りを上げてくれたのだ。


 それはゆうちゃんも小早川学園に進学することになったからだった。しかも特待生。すごい、スポーツ少女恐るべし。

 なんという偶然、いや奇跡!


 とにかく私は無事日本に残ることが決定したのであった。

 ゆうちゃんママ、本当にありがとう。

 会ったら渡してね、と両親から品物の数々を預かった。って、あんたら娘の入学式に来ないのかい。


 大人って本当勝手よね。まぁいいけどね。

はじめまして。Caniです。

自分の妄想をぶつけていこうと思います。よろしくお願いします。

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