目覚まし
「まだちょっと時間有るなぁ」
友人と待ち合わせをした。
家を出るにはまだちょっと早かった。
テレビ見ちゃうと時間忘れそうだし何しようか?
そう思いながらソファーに伸びていたら、うっかり眠り込んでしまった。
「・・・ちゃん、起きないの?起きる時間だよ」
声をかけられ、ハッと目が覚めた。
家を出る予定の5分前だった。
「うわ、寝てた!」
急いで支度をして、待ち合わせに行った。
「うっかり眠っちゃってお兄ちゃんに起こされちゃったよ」
「良い兄ちゃんだねー」
家に帰ってきて兄にお礼を言った。
「お兄ちゃん、今日は起こしてくれてありがとう!」
「何の事だ?」
兄はとぼけてるのか素直に受け入れてくれなかった。
また別の日、両親が旅行に行ってしまい、「朝起こす人がいないから目覚ましかけなさい」と言われたのに目覚ましをかけるのを忘れた。
「・・・ちゃん起きる時間だよ」
また、兄に起こされた。
「目覚ましかけ忘れてた!お兄ちゃんありがとう!」
あれ?
そばに誰も居なかった。
どこから声をかけたんだろう?
そんなことが何度かあった。
「お兄ちゃん、何で起こしてくれたときお礼言っても聞いてくれないの?」
「おまえ、何度かそれ言うけど、俺本当に起こしてないぞ?最初に言われたときは家にいなかったし」
「え?じゃあ誰が起こしてくれてたの?」
「俺が知るわけがない」
「お兄ちゃんの声だと思ってたのに」
「便利だ!位に思っておけば良いだろ?」
その後も、誰もいないのに予定時間前に誰かに起こされることがある。