白っぽい服の女性
部活の帰り道、後輩たち5人と怪談をしながら歩いていた。
さすがに薄暗いので歩きながらは危ないかと、空き地に見える場所に避けて話し込んだ。
「それでどうなったの?」
「犯人はお前だ!」
「それ怪談やない!」
「あはは」
あまり怖くない怪談を終わらせ、さあ帰るかと鞄を持ち上げたとき、ふと目に入った。
白っぽいワンピースの女性が向こうの通りをフワッと歩いている。
「あの人、なんか・・・」
「どうしたんですか先輩?」
「今、そこをフワッとした感じで歩いている女の人がいたんだけど、もう見えないね?」
「俺もそっち見てたけど、誰もいなかったですよ?」
「え?そう?」
その時はちょっと見る方向が違っていたんだろうとあまり気にせずに帰った。
登校時には通らない道なので確認できなかったが、下校時は昨日と同じメンバーで同じ道を通った。
ただ、時間は昨日より一時間早かった。今日はまだ明るい。
「そういえば昨日のなんだったんですか?」
「え?昨日のって?」
「ほら、帰りがけに女の人がって」
「あー、ちょうどこの辺って昨日の辺りだね」
「そこの空き地です」
「そうそうその辺からあっちを見たとき・・・」
「先輩どうしました?」
「空中だ」
「え?」
「昨日、白っぽいワンピースの女性が歩いていた辺り、崖があって・・・空中」
「ええー!」
「ちょっ先輩!やめてくださいよ」
「てか、先輩が言う その先って、墓地しか有りません」
「まじ?」
後輩女子は半泣きだった。