なぜ似た話ばかりなのか、多様性を求めるとか
同じような設定が多い事に対して思うことを書きます。
今、異世界の恋愛ものとハイファンタジーもののトップランキングはほぼ同じ設定のものということからも、似た設定ものが人気といことはおわかりだと思います。
異世界恋愛だと悪役令嬢が追放される、もしくは人生をやり直す。ハイファンタジーだと、少し前なら転生もの、今なら追放した者たちに仕返しをする話。設定から世界観、人物の配置、物語展開までほぼ同じです。
友人は、それは水戸黄門と同じだと評しました。今のライトノベルやネット小説は、設定が複雑すぎる。そんな複雑な設定をイチから説明するより、ドラクエのようなみんなが共通認識されている設定にすれば、いちいち説明しなくても良い。人物設定も物語展開も似たようにすれば、読む側も想定内なので安心感があるのだと。
それは水戸黄門的なもの、定番を読者が求めているのだと。
確かに、定番ものとは違った設定だった暗黒騎士物語は、古代神話をベースにした独自の世界観で書籍化までしたものの一巻で打ち切りとなりました。(個人的には好きでした)
それに対して、似た設定のファンタジーものがトップランキングに入り、書籍化してそれなりに売れています。書く側としては売れてもらわないと困るわけですから、似た設定のものを書きたくなるのは仕方ないといえます。
あと、似たような設定ものであれば、他の方々が散々書いていますから、話の展開も楽というのもあると思います。
逆に急にトレンドとなった設定、例えば幼馴染NTRものは、話の展開ができずにエタるのをよく見かけました。物語展開で参考にできるものが少なかった所為でしょう。
似た設定にすれば、読む側も書く側も安心できる水戸黄門的なものが良いということです。
しかし、それでも似た設定が多すぎます。供給過多という印象を受けます。そしてその似た設定ものは相当偏った内容です。本屋で一般の小説の概要を見ても、ライトノベルやネット小説は一般小説と全くの別物と思うくらい話が偏っていると思います。
私が恐れているのは、実は似た話が多い事よりも話が偏り過ぎて世間と乖離が生じていることです。今のように話が偏り、それが人気という状態が続くと、違う設定を書く人がいなくなる事になります。その状態が続くと、別国の小説に抜き去られている日が来る、それを恐れています。
ライトノベルやネット小説で似た設定が人気だからと、そればかり書かれると多様性が失われ、ガラパゴス状態になっているのではないか、そして革新的な小説が別国から現れて、一気に成り変わられるのではないかと思うのです。
現にJPOPは偏り過ぎて、KPOPに成り代わられています。この現象がネット小説で起きないかと危惧するわけです。なろう系は凄いとか言っているうちに中国あたりの小説が世界的に人気になり、日本文学が衰退しないかと。考え過ぎとは思えません。
定番ものを読むのも良いですが、もっと別設定の小説を掘り出して読むなり、書くなりして欲しいのです。できれば一般向けの様々な小説から設定を流用して少しでも多様性のある小説がランキングを賑わして欲しいと願うわけです。
以上です。