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転生したら制作途中の乙女ゲームだった件  作者: 桐生 楓
第二章
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episode01:火の魔法使い、アルビレオ=ベラトリクス

 理想のメイドさんに招かれた玉座の間には跪き、王に頭を垂れる3人の魔法使いの姿があった。


「皆、顔を上げてくれ。公的な要請ではないのだ、居直ってくれて構わない。娘が目を覚ましたようだ。正式に挨拶をさせよう。」


 王の発言に3人の魔法使いは顔を上げ、立ち上がりゆっくりとこちらを振り向く。私から見て左から火の魔法使い、アルビレオ=ベラトリクス。水の魔法使い、ベイド。木の魔法使い、ファイ=タウリーが並んでいる。やはり3人とも、私が思い描いていたのと同じ顔立ちをしている。


「皆さま、この度はお越しいただきありがとうございます。ご紹介に預かりました、アウストラリス王国第一王女、ミラ=アウストラリスです。」


 自分の意思とは関係なくするすると発することができた言葉に私は内心驚いていた。


 紹介しよう、と王である父が目の前にいる3人について語りだした。大体あらすじはわかっているから、と頭の中で今の状況を整理していく―。



 私が転生したこの世界、「7人の魔法使いとお姫様」は現在シナリオを受けている制作途中の乙女ゲームだ。主人公は7人の魔法使いしか持つことがない魔力を持って生まれた王女のミラ。

そしてミラは子どもの頃に神殿で神託を受け、魔法を使う訓練は受けたが、上手く使うことができず、その身に宿す魔力をペンダントによってコントロールしていた。

そのペンダントが壊れて物語がスタートするというのがあらすじだ。


「―、というわけで」王は話を終わらせたようだ。ミラは誰に魔法を学びたいと思ったか教えてくれ、と言われて我に返る。


「えっと…、」


 私は戸惑いながらも目の前にいる3人を見つめた。

順当にいくならアルビレオだけど…。


 どうしようか、と悩んでいる間に少しの違和感を覚える。

まるで時間が止まったかのように、誰も喋らない。おかしいと思い、私はこの場にいない攻略キャラの名前を呼ぼうと口を開いたが、言葉は何もでてこなかった。


「――ッ!!」


 なんでだ?驚きを隠せないが、とりあえずこの中から選ぶしかないなら、と私は左から一人ずつ名前を呼んでみることにした。


「アルビレオ=ベラトリクス様、私はあなたに魔法を教わりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」


 先ほどとは打って変わって挨拶のときのようにまたするすると言葉が紡がれた。


 私に名前を呼ばれたアルビレオは爽やかな笑顔をこちらに向ける。


「ミラ王女、お選びいただけて光栄です。私を選んでくださったからには、貴女に必ずや魔法を使えるようにしてみせます。」


 鼓動が速くなったのは私なのか、主人公であるミラのものなのかは分からなかった。

画面越しでない笑顔って、こんなにも美しいのか。




やっと本編突入です!なぜか進まないストーリーに関しては後々明かされるので、しばらくお待ちください。お楽しみに!

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