必敗の人
会社を辞めて町議員選挙に共産党から出た馬鹿がいた。
はあ? ってなもんである。
そら共産党は勝てる勝てない関係なく候補者たてるけどさ、町議に共産党から出ることはなかろうて。
詳しく訊いたら、田舎の選挙だからどの政党から出るかより誰が出るかだって話だったけども、その線でも隣近所から嫌われてるから無理と。
会社でも仕事できなくてそれに加えて飲み会でいきなり蟹工船について演説ぶちあげる変人ぶりで嫌われている奴だったそうな。
蟹工船・・・
時代から一体何年遅れているのだろうか。
この人は色々と足りてないのだなあ、と一発で分かる事案ではあるが。
そこで、唐突に気づきが訪れる。
自由主義経済で勝負すると生来のスペックの低さで必ず負ける人がいるんだ。
そう言う必敗の人は中道、自由主義経済ではやってられないから左か右に流れるしかないんだ。
さもなきゃ何やっても駄目な負け犬として、中道で諦めを友に生きていくか。
今どき共産党って何の存在意義があるんだ? と長年疑問だったのだけど、必敗の人の受け皿として必要とされている訳だ。
だよな。
自由主義経済で戦えば必ず負けるんだもん。
しかも銃弾飛び交う戦争と違って、負けても負けても生きていかねばならん。
80年の生涯にただ一度の勝利もなく。
そんなん左巻きにもなるわな。
自力では人並みに生きていけないから、お前ら俺を養えって訳だ。
それの是非はさておき、気持ちは分からなくもない。
左翼がそれであるならば、右翼は連敗に次ぐ連敗による劣等感を埋め合わせる方に逸れたのだろうな。
実よりも名を重んじた訳だ。
なるほどなるほど。