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貶められた元聖女は真聖女になる  作者: 魔茶来
哀聖女編
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【幕間】ノヴァ・シリアス

「今日も朝から、色んな手配書を書簡精霊が運んでよるわ。」

「ほんまに最近多いわ、JUSTも認知されてきた証拠やな。」


「しかしほんまに、ここ(JUST)には現実(ほんま)にあった、いろんなネタが落ちとるところや」

「さてさて、ネタになるおもろい情報は、あれへんかな?」

「あかん、あかん仕事、仕事と……」


あん?、うちか?

うちは「カーシャ」、JUSTの捜査員やで。


「将来の夢は『目指せ印税生活!!』やで、今のうちにネタ集めして早期引退して、作家になるんや。」


「うちの親父(おとん)が瓦版屋やっとるんや」

「瓦版にここ(JUST)の記事を見つけては、まるで正義のヒローものでも見るようにワクワクしてたんや」

「それでや、ネタ集めも兼ねて、JUSTに入ることにしたんや」

「うちはそれなりに才女やからな、ここに採用されるのも簡単やった。」


「まづは手配書の分類と........」

「あるある、尊厳薬と正教会(聖女含む)は代表に最初に見てもらって対処を決めてもらうんや」


「なんか、代表は尊厳薬と正教会に、物凄い思い入れがあるようで、自分で判断しよるんや、色々訳ありやな」


「代表、アーカンギ国から手配書が来ています、内容的には『偽聖女の盗賊団』ですが…」


「あ~(二日酔いなんだよ、大きな声を出すなよ、メガネッ())、う~~ん……」


(あかんわ、数日前変装して正教会に行くとか言っていたけど、それから、この腑抜け状態やで・・・)

(何があったんやろ、普段の有能な人とは思えんな……)


「聖女関連ですよ、偽エイル様事件だそうです」


「エイル........、エイル!!・・」


(おっ、いきなり引っ手繰って行きよった。)


「う~~~ん、アーカンギ国か、正教会の代理提出だな。」

「奴ら(正教会)はこんな時にはJUSTを利用してきやがる」


(そうやねん、正教会は代表が研究し存在を証明した天中域やとか、科学的な研究発表を『神を冒涜することだ』と言って否定しとるんや、ようはな、うちの団体(JUST)も正教会は正式には認めてへんねん)


「たぶん、怪しい内容と言うことだよ……」

「……元エイル様の侍女……偽の聖女をエイル様だと言って、盗賊やっている?」

「偽聖女を立てて詐欺じゃなくて、盗賊やっているのか?」


「ふぅ……、大体、俺はサミーにもシロンにも会ったことがある。」

「エイル様に従順で本当に良く尽くす正義感の強い侍女達だった、そんなことは絶対にしない。」


「怪しいしな、それに奴らの手伝いも癪だから、とりあえず隅の方にでも公開して、その内捨てるか」


「えっ、良いんですか、盗賊ですよ……、侍女だって、、そうだ、女は変わるんですよ……」


「最近もあの二人を見たが、エイル様を慕って泣いていたよ。。。」

「『偽聖女の盗賊団』の『偽聖女エイル』か一度会ってみたいなものだな。」


しゃあない、盗賊の手配やけど、広報板の最後に掲載はしといた。

「なるほど、変装して正教会に行ってきたのは『聖戦騎エイル様 葬送の儀』やな……」

「なんか、代表はエイル様にも思い入れがある様やな。。。」


「創業者兼代表は出生からすべて謎だらけ、ようこんな正体不明者がここまでの組織を作ったもんや」

「しかし、ここ(JUST)の中にも、1つネタ本がかけるぐらい謎とおもろいことがほんまに多くてあきひんわ」


------

昨晩から馬車を飛ばし町へやってきた、私は正体がばれるといけないので、シロンとサミーに買い出しをお願いしている。

2人が帰ってきて、異教国の聖女たちに町中でも目立たない服を渡す、食料は保存期間を考え1週間分買ってきていた。


「エイル様、レミー様から頂いたお金は『融資組合』へ預けてきましたが……」

「どうしたの?シロン」


「名前なんですが、エイル様の名前では見つかると差し押さえられると困るので『ノヴァ・シリアス』で口座開設しています。」


サミーが名前の話をする。

「看板に役者の『ジャンノヴァ・シリウス』の名前があったので咄嗟に『ノヴァ・シリアス』と書いてしまいました」

「そうだ、葬送の儀も終わってるので、この際、別人『ノヴァ・シリアス』になってしまいませんか……」と恐る恐る聞いてきた。


その言葉を聞いて異教国の者たちが騒めく「「「ノヴァ!?」」」


異教国の人たちはどうしたんだろうと思いつつ、

よく考えると、口座の名前に付けてしまっているから事後承諾だろ・・・

とりあえず、「そうですね。」と答える。


なぜかそれを聞いてシロンと、サミーは嬉しそうな顔をして、皆を急いで馬車に乗せると、国境に向かって走らせ始めた。


「生まれた所から、聖痕が顕現し聖女になってからの第二の故郷だった正教会。」

「でも、そこを離れる時に「エイル」という名ともお別れすることになったわね」


国境付近の森にある川で、馬車は一旦小休止する。


私はサミーとシロンに引っ張っられ川の近くに来た。


「さて、どうするかな」と二人はなんか楽しそうに私を見つめる。

化粧道具も色々買ってきましたから……となんか、二人が迫ってきた


「えっ?、えっ?」と言っている間に、あれやこれやと……


1時間後、ショートになった上、少し青い巻髪、少々の化粧をされて「エイル」の少女の雰囲気が少し大人の雰囲気になった。


鏡を見せながら「ノヴァ様、いかがですか……」と2人が満足そうに言う。


まだ聞きなれない名前「ノヴァ」でも、それはこれからの新しい私の名前になる。


馬車に帰ると、私の姿を見て異教国の者たちが騒めく「「「ノヴァ!!」」」……


サミーがどうしたのか聞きに行って驚く。

予言された運命の聖者の名前、それが『ノヴァ』だったらしい。

その人の絵画は彼らの教会に飾ってあるが、青い巻髪や雰囲気が今の私そのものだったらしい。


偶然なのか運命なのか、本当に不思議な話だ。


---

馬車は走り始めた。

そう旅の始まりだ。

でも、旅の目的は何?

レミー様は役割に相応しい「新しい私」になるためと言っていた。


私たち11人は、これから、どこに向かって行くのだろうか。

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