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羽の焦げた渡り鳥
「だいっきらい…!!だいっ…きらい……」
「舞、次の場所行くぞ」
少女はガーデンに程近い雑貨店の前で、泣きながら踞っていた。
「マグナムさんなんてきらい!!」
「…あいつは許してやれ。あいつだって辛いんだ」
「うわあああああん!!」
しばらくして少女はシモンの背中で眠りにつく。
「マグナム…」
男はガーデン奥、天気雨の下にいた。
「シモンか。記憶は大丈夫だよ。整理はついた。……忘れねえさ」
「…すまない」
「謝らないでくれよ。殺害記覧…だっけ?そのお陰でアジサイさんは悪者じゃないってわかったんだ」
…悪者は俺の方だったんだよ。男は雨に潰れるよう呟く。
「リナリアと…レナさんはどうなった」
「………殺した」
「お前、レナさんまで殺したのか」
「彼女が…彼女自身が望んだのだ。出来うる限りの説得はした」
「………とにかくだ。アジサイさんは埋葬した。元気出して行こうぜ、コロナイツド」
男は今自分が元気だと思っているのだろうか。
彼はひたすらに悲しい顔をしていた。
置いておいた荷物を回収したのち、銀世界へと戻る。ただ周囲に人食い箱はなく、白いアジサイの真花だけが雪上に残っていた。
マグナムがそれを拾い上げて、懐中時計の裏蓋に留めた。
ーー第二のプロローグ、終了




