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伝者旅 壱章  作者: 諸星回路
幻想の箱庭編
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一羽の根

「サザンカ!大丈夫?!」

 城の一室で、3人のメジロがサザンカの元へと寄って彼女に触れた。

「大丈夫。メジロが居てくれるから」

「…!…もう…サザンカったら…」

 冗談言わないで、と言いたげな彼女達。でも本当にそうなのだ。

 私にはメジロが居ないと駄目なの。


〈そろそろ奴らが来る。準備しておけ〉

 頭に雑音が湧く。

〈わかってるわ。ただもう少し休ませて頂戴〉

〈了解した。我らが理想郷を護るため。後にまた連絡する〉


「サザンカ?サザンカ?」

 返事をしない私に必死に呼び掛ける彼女達。そんな姿もいとおしい。

「…少し疲れてしまったの」

「寝ちゃうのサザンカ?」

「そうね…膝枕してくれると嬉しいわね」

「しょうがないなー、サザンカは甘えん坊さんだね」

 一番近くの彼女の膝元に頭を下ろして目を閉じる。


 目を開けばそこにはメジロの顔がある。でも、私は閉じたまま小さな眠りにつく。それは起きた後の私へのプレゼント。

 あぁ…幸せ…

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