ハレノマチ
「ふえ?」「うおっ」「おっと」「ありゃ」
来て早々に4人は砂に尻餅をつく。何せ4人とも、椅子に座ったまま移動してきたのだから。
「いたーい!」
「…どうやら無事、箱の中に入れたみたいだな」
「そのようだが…何だこれは」
「暑くないねー」
雨の降りやまない町から砂漠に投げ出された訳だが、照りつける陽射しは鬱陶しいだけで不思議と暑さとの繋がりを持たない。尻に敷かれた一面の砂も、熱気1つ感じられない。
「砂漠に来るのは初めてだがよ。案外暑くないもんだな」
「あつくなーい!」
「何を言っている。砂漠で暑さを感じない訳がないだろう。この箱がおかしいのだ」
「冗談だよ、冗談!…それにしてもーー」
マグナムは雲1つ無い砂漠の空を見上げる。こんな晴れ晴れとした空を、随分昔から見ていなかった気がする。
「空ってこんな…青いもんだったな…」
そういえば、何か忘れている気がする。
空は確かに青かった。ただ、足りないんだ。
ーー“魔法陣”?
「先行くぞ。早く立て」
「お…おう!」
欠けた記憶を直そうとするも、やはり穴は埋まりきらない。
旅人達は立ち上がり、正面に見える砂の色をした城を目指す。
背後にはやはり、出口と思われる黒い渦があった。奥には先ほどまでいた喫茶店の店内が見える。
「……何もないと良いんだが」
相変わらずの心配を胸に残しながらも、今はただ先へと進んだ。




