寄り道
「そういえばマグナム」
雪原をひたすら歩く代わり映えの無いとある日、こんな質問が飛んだ。
「お前、何故自分の能力がわからない」
「…自身の能力を知らないまま墓場まで行く人間もいるこんな世の中で、なんて質問すんだよ。わからないもんはわからないんだ」
「パニックに陥ったことはないのか」
「あぁ、あるよ。結構な。言いたいのはあれだろ、普通パニックに陥れば能力が暴走して否が応にも出ちまうもんだって」
「多少でも自身の暴走による環境の変化があれば能力を自覚する手掛かりとなる。旅路は長い。その間、お前の能力を予想する猶予もあるだろう。何かないのか」
「…無いんだよ。周りの大人に聞いてもな。ただパニックになるだけ。当の俺も現実やら虚構やら何もわからなくなっちまう、だけ。生成する能力ではないってことが唯一の手掛かり」
「…難儀だな」
「まったくだぜ…」
「マグナムさんもたいへんなんだね!」舞が雪玉を拾い食いしながら呑気なことを言う。
「…お前も現状無能力者だろうがっ…」
「ってか毎日のように雪玉食ってるがよく風邪ひかないなお前」
「うまいよ?シモンさんだってたべてるもん」
「いやなんでシモンも食ってるんだよ!!」
「舞が旅の途中ずっと食べていて気になっていたんだ。腹も膨れれば多少甘味もあるぞ。人里離れてるからか…?」
「え、ちょいと一口……ああ確かに食えなくはないな…」
「そうだもん。マイしってたもん」
「今後は食料温存のため、これを主食に食べるか」
「いや、それは勘弁してくれ。」
「マイもやだ。」
「冗談だ。俺も嫌だ。」
ーーー寄り道終了




