読まれる小説を書くために
面白い小説とは何か。
色々な意見があると思うがここでは仮に「設定 X 展開」とさせてもらいたい。
では、設定とは何か。
設定を分解すると、「テンプレ X ひねり」になる。
たとえば、SAO。
こちらは、いわばよくあるJRPGファンタジー世界にVRという要素を組み込んだ。さらにデスゲーム的な要素を組み込み、切迫感を出す。
これがひねりである。ベースにあるのはJRPGファンタジーでありながら、その印象は普通のJRPGとは全く違うものになっている。
では、展開とは何か。
これは「求道 X カタルシス」である。
求道とは、突き詰めた知識である。たとえばSAOにおいては、JRPGファンタジーのようなストーリーが並べられている。しかし、これはJRPGに詳しくないと、案外出てこない発想である。これにはファンタジーに詳しいという知識が必要である。
そして、その知識によって展開されたストーリーが設定と合わさって昇華し、最終的なカタルシスを読者が得られる地点まで引っ張る。それが作品の筆運びである。
リゼロでは、死に戻りという要素が展開されている。
序盤はよくある異世界転生であり、またヒロインとの遭遇もよくあるものである。
しかし、そのよくある展開の中から、必要最低限のベースを取り出した後、二章以降につながるストーリーが展開される。
では、今更、リゼロのように丁寧に異世界転生場面を描く必要はあるのか。
もしそれが、リゼロと同じなのであれば、不要である。違うのであれば、必要である。
最近ではお仕事系の異世界転生なども人気であり、この部分をひねるのはよくあるものだ。
しかし、これだけではなく、転生「先」での設定も捻ってみたい。
もちろんこちらもスローライフとか逆転とか、まあ色々あるが、やはりSAOやリゼロのような衝撃に比べれば弱い。
もちろん、スローライフも悪くはない。そういうのも望まれるような気もする。しかし、単にスローライフではなく、その必然性などがなければやはり読まれない。