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冒険者達の遠征の末に

 調査に向かった冒険者たちは少しずつ疲弊していた。川沿いに進みながら上流に向かい、主の確認をするだけだがなかなか見つからない。


 しかし、冒険者たちは長丁場になることは覚悟していた。これくらい我慢しなければCランク以上になんてなれない。耐久力の強さもランクアップに判断されている。


「おい、また放置されたままのウルフの死体だ」


「うえっ、かなり腐ってるじゃん!アンデット化しないだけマシだけど…………」


「まだ日中だしここは日が照ってるわ。早く燃やしましょう」


 1人の女性がそう言って魔術師にウルフの死体を燃やすことを催促する。魔術師は無言でうなずき、鈴らしきものを3回振った。すると、突然ウルフの死体が燃え始めた。


 メラメラと腐肉が燃える臭いが漂い、顔を青くするものが多数出た。しかし、これが日常だ。放置された死体は燃やすことが暗黙のルールなのだから。


 これで死体を燃やした数はとうに50を超えている。全て撲殺されていて爪や牙の跡すらない。


 ただ、共通していることはアーマードベアーの皮膚を凹まされたように牛のような蹄も跡が残っていた。


「間違いなくフェルト森林の主がやった跡だったな」


「ゴブリンはクッソ不味いからともかく、まあまあ美味しいウルフまで放置してるからまるで捕食より倒すことが目的に思えてきちゃった」


 食いしん坊と自他ともに認めている女冒険者の発言に、ほかの冒険者が一斉に振り向く。あと、ゴブリンを食べたという発言は誰も聞いていない。


「え…………何かおかしいことを言った、かなぁ?」


 本人からしたらちょっとした冗談のつもりだったが皆からに視線を受けるとは思わず、何か叱られるんじゃないかと冷や汗をかいていた。


 しかし、それは全くの杞憂だった。


「…………確かにおかしい」


「あ、あの、お叱りだけは勘弁を!」


「レミィ、お前の勘が正しいかもしれない。人型だろうとも歯形の跡が残っていないし死体から魔石の抜き取りすらしていない」


「焼いた後の死体から出た魔石はほとんど粉々だったしな」


 魔石とは、魔物の体内で生成される結晶のことだ。強い魔物ほど純度が高く大きい。なお、純度と大きさ、その魔石を取り出した魔物によって価値や用途が決まってくる。


 用途は武器や防具の素材に使ったり、ポーションを作るために使用、魔法を発動させる補助などがある。


「つまり、フェルト森林の主は草食!」


「…………否定できないな。肉を食った跡が一切ないのもだが…………」


「あれ、ボケを流された上に受け入れられた…………」


 ショックを受けてるのはよそに、肉を食わない凶暴な魔物を想像する一同。しかし、今わかってるのは蹄があるという事だけだ。


 判断の材料が少なすぎる。ここにいる冒険者の意見は一致していた。


 だが、進んでいくと遂に大きな異変を見つけた。


「おい、確かこの川って岩の隙間から漏れた水でできたよな」


「こんな洞窟から水が流れてたなんて聞いてない。しかも、この洞窟はかなり奥が深そうだよ」


「んっんー、どうやらこの先に主は居そうですなぁ」


 その判断材料は放置されている大きな岩の塊だ。多数ある上に外部からの衝撃で壊されたものに見える。


 放置されて角が少し丸まってる岩もあるのでそれなりの時間が経ってると予想された。


「よし、全員『ライト』か暗視スキルを使え!使えない奴は『ライト』を使う奴の周りを固めておけ!」


 今回のリーダーであるレイズという男が声を上げると皆頷く。


 ある程度の準備と覚悟を決めたところで突入する。


 配置は暗視のスキルを使える者が一番前と最後尾におり、その後ろには『ライト』を使える者、真ん中はその他の者で固められた。


 しかし、ある程度進むと突如、元から設置されていた街灯が火を灯した。


「お、おい、このランプってだいぶ前に発掘された古代のものじゃね?」


「まさか、こんな所に古代遺跡があったというわけ?何で誰も気付かなかったのよ」


「岩だ。岩がここの入り口を塞いでいたんだろうな。しかし、この水の流れはどこから来てるのか…………」


 必要以上に警戒しながら進むこと数十分、遂に彼等は広い空間にある古代遺跡を拝むことが出来た。


 外から見ればそれなりの山だったが、中にはかつて繁栄していた都市があったとは現代人は誰も気付かなかった。


「マジかよ…………」


「ここまで大きいくて破損の少ない遺跡ってイスメラ遺跡以来じゃない?」


 主がいるかもしれないのにザワザワと騒ぎ始める。無理もない、こんなに大きな古代遺跡はこの世界に10もないのだから。


 そして、食いしん坊のレミィは壺に詰まってる幼女と目が合った。


「あぅ、その、こ、こんにちわ…………」


 若干、泣きそうになってる幼女を見て何だか申し訳ない気持ちになってしまったレミィであった。

雌牛「泣きそう…………」


※泣いてます

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