3日後の昼下がり
僕がギルドに入ってもう三日もたった。現在、僕はミーシャと一緒に宿に泊まっている。監視という事もあるけど、野宿よりはマシだと思ってる。
それに、ミーシャを僕の牛乳で買収できるから自由に動けちゃったりする。でもね、不安はあるんだよ。あえて心の中で叫ぶね。
もうやだーー!基礎の話ばっかり聞くのはやだーー!
ここに来てからギルドマスターといろいろと話あうことがあってさ、早めから高ランクで始めるのはいかがなものかという話になったの。
おじ様と獣人の人らは高ランクから開始派だったけどもめごとが起こるからって結局Fランクからの開始になった。
まあ、えこひいきはだめだよねというのが僕の甘い考えだった。
Fランクが初心者中の初心者だってことは分かっているよ?でも二週間の授業なんて聞いてない!なんだよゴブリンの危険性って!無駄に繁殖力あるくらいで弱いじゃん!
オークはゴブリンの十匹分の強さ?たいしたことないって思うのよ僕は。だってゴブリンなんて手加減した一発殴れば破裂しちゃうからね。それを十回、もしくは十倍の威力で殴り飛ばせばいい。
早く魔物を倒したいっ!せめて模擬戦でもいいからやりたいよもー!
あとね、僕は魔法なんて使わないから人が使う魔法より魔物が使う魔法ってのが気になるからそっちの方を教えてよ。
何で人が使う魔法ばっかり教えるのかなぁ?最大の敵は人間?馬鹿馬鹿しい戦争するより魔物倒して辺境でもいいから平和にしろよって話だよ全く。
こんな中でも人は戦争を続けてるなんて、全く愚か者の極みだね。ある種の口減しになると思うけどさ。
人間ってよく深いもんね。遺跡の日記によると、あそこに住んでた人も何かの権利争いで滅びかけたからこの地を離れるって書いてあった。
物欲って身を滅ぼすかもしれないから怖いね。
今日は何するっていうのは忘れちゃったよ。だっていつも講義の最後に言うからさ、僕なんて最後の方はちょっとウトウトしてるからね。
その度に新人の素人に「なんだあいつ、やる気あんのか」っていう目で見られる。だって興味ないもん。それに遺跡にあった書物に魔物図鑑あったから別に平気だもん。
はぁ、ギルドでお昼ご飯食べてそのまま講義の方に行こう。お金はミーシャからねだろう。その方が手っ取り早い。
「ミーシャ〜、お昼代ちょうだーい!」
「お昼代にゃ?しょうがにゃいにゃ〜、例のアレを瓶1本分と交換にゃ」
「りょーかーい!」
〜乳搾りシーンなので見せられません〜
「はい、瓶一本分できたよ」
「ありがとにゃ〜♪ふふふ、これ飲まないと1日が始まらにゃいにゃ〜」
だんだんと僕の牛乳に依存してきてるような気がしてならない。まあ、体壊す薬とかじゃないから大丈夫だと信じてる。
僕のスキルに体内麻薬とか、いつの間にか増えてないよね?
不安になるけどご飯食べに行こう。実はサラダしか食べないから安上がりで済んでるのをミーシャに伝えてない。
ま、これも商売の一環と考えたらいいよね。お金を出し渋るなら牛乳を提供しないまでよ。
ふふふ、取引は成立した。ご飯食べに行ってギルドの講義に…………あ、講義があるじゃん、うわー…………
なんだっけこれ、何かこういうのを知ってるような気がする。あ、これって『鬱だ死のう』ってやつかな?
鬱で死ぬなんて馬鹿らしいけど嫌なものは嫌だもんねー、はあ、早く戦いたーーい!
そんな愚痴を心の中で漏らしまくってる僕だが、この後こんな鬱に似たような気分が吹き飛ぶのは知る由も無い。
はー、おなかいっぱいになった後に勉学とかないわー
雌牛「ゴブリン潰したいです。経験値いっぱい欲しいですコンチキショー!」