表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

話になるのとならないの

 試験開始からまだ5分もたっていないが試験は終わった。早すぎてあっけないと僕は感じてしまった。


「ジョームズさん…………」


「いてて…………これくらいどうってことない。Aランク級の魔物の攻撃を受けたくらいだ」


「十分すぎます!そもそも小娘ごときに何がAランク級の魔物の攻撃ですか!あなたならそれくらい防げるでしょう!」


 めっちゃ叱られてる。受付の人に治療されながら笑ってるけど叱られてろよあの人。


 正直なことを言うと、死んだんじゃないかと思ったけどかなり頑丈なんだね。


「はあ、ジョームズさんまたふざけるなら減給処分が来ますよ」


「俺がふざけてこんな怪我を負うか?蜂の巣つついた訳じゃないんだ。というか、鉄心入った木刀が折れてる時点で察しろや」


「前にふざけて折ったのは誰でしたっけ?」


 あのおじ様目を逸らしたよ。前にもやらかしていたのか。まあ、おじ様は油断さえなければ強いことは分かったし。


「とりあえず試験は合格だ。このお嬢ちゃんはAランクから始めたほうがいいぞ」


「はあ、まーた過大評価ですか!」


「またってなんだよ!十年前は覚醒する前の勇者に一番初めに目をつけてたのは俺だよ!?」


 へえ、この世界って勇者とかいるんだ。十年前とかの話だから今は強いんだろーなー。


 勇者のことは置いといて僕の試験のことについてだ。え?勇者のことは聞かないのかだって?だって接点もできなさそうだから別にいいもん。


 しかもさ、会ってはいけないという野生の勘が囁いてるからろくなもんじゃないと思う。


「ねえねえ、僕のランクはAになるの?」


 無邪気を装いおじ様に聞く。まあ、あれだけの実力を見せつけたんだからAランクだよね!肉質の話じゃないからね!


「おうよ、お嬢ちゃん。Aランク確定だぜ」


「いいえ、馬鹿なんですか?殺したいのですか?規定よりFランクから開始です」


 ちぇっ、さすがに飛び級は無理だったか。まあ、初めはなんかの草を摘んだりゴブリンとかよわっちいのを潰すくらいだろうけど千里の道も一歩から、だったかな?ちまちまやっても経験となるしいつか強いのと戦えるから別にいっか。


「はあ、まったく色々と面倒くさい人です」


「面倒くさいってなんだよ!お嬢ちゃんを早く高ランクにしないと面倒なやつらが目をつけるぞ」


 先程と違って明らかに真剣な声色で受付の人に言う。あの目はマジって言ってる目だ、この短期間だけどおじ様がマジな目をするってのはレアだと思う。


 なんか今までしてきたことで台無しにしてるようにも見えるけどね。いやー、行いって大切だね!


「とにかく、ジョームズさんが何と言おうとFランクからの開始ですからね」


「もったいないぜ本当に!」


 こうして、治癒魔法によって(本当に存在してたんだ)おじ様の怪我を治して僕たちは僕の身分証明書みたいなのを作りにギルドのロビーに戻ることとなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ